ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2016-10-02から1日間の記事一覧

『竹中労(KAWADE MOOK)』

#トップ屋 竹中 この世の中に面をさらしたい、有名になりたい、ゼニは稼ぎたい、自分の生活は隠しておきたいなんてムシのいい話はないでしょう。 SEXとは見るものではなく、行うことであったから。ゆえに人々は健康だった。性を抑圧されてノイローゼにな…

『微笑(小島信夫)』

戦地から復員してはじめて、四歳になった息子と出会った。 僕がはじめてじぶんの息子にめぐりあったのは四年ぶりで戦地から復員した時で、僕は自分の息子であるというより、何か病気の息子であるようなかんじにおそわれた。 僕はそうしながら、痺れるような…

西野カナの「トリセツ」のMVがキモい。歌詞世界を映像化するプロセスでどう失敗するのか。

晴れた日曜日の午前中にMTVを視ていて、ふと思った。 「いや、西野カナの『トリセツ』のMV、キモい。」 今更な感もあるけど(発表当初にも話題になったのかな?)。 このMVを目にして、ざらっとした何かが残った。違和感?既視感?嫌悪感?この気持ち…

『濹東綺譚(永井荷風)』

荷風荷風っと、日々の記録である断腸亭日乗よりもこちらっの方がこの人のしょーもなさが感じ取れる(私は永井荷風のことを面白い人だとは思うが、昨今の巷の評価のように“粋”だ“洒脱”な江戸人だと云って、いたづらには称揚したくはない)。 あと、木村荘八の…

『憂国(三島由紀夫)』

心中、それが一番美しいと三島は云った。 おそらく現代人には分からない感覚だろう。 「死んではダメだ。自死は罪深い、ましてや誰かを巻き添えに死ぬなんて愚かだ」まっとうな現代人はそう言うだろう。 しかし、それは平和な時代を生きているわたしたちの標…