ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

創作のヒント 

『仕事。(川村元気)』

川村元気氏のその道の熟達者へのインタビュー本。 若くして有名になると、出版社にこういう企画が組まれるんだよな。 川村元気 だから、撮れなくなる監督は、仮説ですけど、どかかで撮らない理由を見つけてしまったのかなと思います。 神棚に上がってしまっ…

「コラムの切り口 (小田嶋隆)」

書店でなかなか見つからなかったのは、ミシマ社の企画だから。 今年の3月新刊なのだね。 分析を装い、本音をぶちこむっ #駅前の呼び込みみたいなダミ声 #スネに傷持つ身として、出所後の人生を寡黙に生きていく男 夫婦別姓を認めない民法750条が憲法違…

「さよならテレビ(2019年、圡方宏史:東海テレビ)」

会社定時上がりで、さらに早めに切り上げてポレポレ中野へ。 上映時間まで串カツ田中でハイボール一杯だけ飲んで臨む。 アイドル趣味の派遣社員。 地下アイドルにチェキにサインしてもらい、おしゃべりするところ。 なぜ東海テレビが岩手産のお米を弁当で食…

『シェイプ・オブ・ウォーター』

お風呂でオナニー 背の低い男は必ず浮気する。 水槽の中の異形の彼と、音楽を流してデートする。 彼はありのままの私を見てる。 あなたの姿がなくても、気配を感じる。 人生は失敗の積み重ねに過ぎない。

『13の理由 』#12 #13

※自殺テープにデコレートする女の子 ---#12 テーマは「裁判所からの召喚状」 「やること全てがみんなを落胆させる。私がいない方が、みんなのためになると思った」 ブライス。ハンナへも暴行。 ※二人が進路相談室で並んで座ってるカット ---#13 テーマは「一…

『13の理由 』#10 #11

---#10 テーマは 飲酒運転 素直になり始めた友達もいる。(アレックスと観覧席で) 友達が深刻な事態に陥ってるとき、ちゃんと気づいてあげられるだろうか?話を聞いてあげられるだろうか? 荒れる恋人(ジェシカ)。男(ジャクソン)は理由は分かっているの…

『13の理由 』#8 #9

---#8 詩会に参加したハンナ。個人的な心情を綴った詩。匿名で学校新聞に掲載した同級生。 「一人に思いを打ち明けたら、みんなの笑い者になった」 店頭に立つ母親に、詩集を渡しに行く。「あの子の字だ」「ええ、 やっと気付きました」 前回とうってかわっ…

『13の理由 』#6 #7

---#6 ・相性テストで出てきた同級生(マーカス)の名前。ハンナは彼を運命の相手だと思いたかった... 「誘ったのは噂を確かめるため?それとも新しいのを広めるため」 「(初めて女の子が家に遊びに来たとき)親が離婚してないなんてラッキーだね。うちの親…

『13の理由 』#4

自殺の理由をみんなで探る物語 思春期に誰もが犯す、遊びと少しの過ち 皆、ハンナの性的魅力に惹かれつつ、すぐに離れる。 ハンナは、ただ友達が欲しかっただけなのに 「写真一枚でもヒドイ目に合うって、あんたみたいな人は分かってたはずでしょ(コートニ…

『13の理由』#2 #3

『あ、もう私死んでるや』 『しばらくの間、私たちは親友だった』 『「人生って最悪」って三人でモネってカフェでココア飲みながら世界に毒づいてた』 そのうちジェシカもこなくなった。バラバラになった。そう思ってた。 『高校ってそういうところだよね。…

『13の理由』#1

物語のイントロ。ハンナの独白テープ。 スリリングなオープニング回。 「アイゼンハワー公園。てことは、もうすぐB面か」 「ファーストキスの後は、最高じゃなかった」 「これを聞いてるほとんどの人だって、何をしたのか分かってないと思う。でもすぐ分か…

『ブラック・ミラー #4-5』

#4ー5 メタルヘッド ・モノクロームのディストピアで ・ゴキブリみたいな最強犬クローン ・最強のメタルコックローチとの闘い。それだけを描いた回

『クロマグロとシロザケ 〜東京夜話〜(いしいしんじ)』

「つらいのはな、速く泳げないことなんだ。自分が泳ぎたい速度で泳げなけりゃ、泳いでるって気にならないだろう」 「なにかやらなくっちゃ、って感じを思い出すね」彼は巨体を上下に揺らした。「ずいぶん長い間、一匹だったんだ。一匹だと、やっぱり自分はわ…

『フィッシュストーリー』

伊坂の短編。 嫁が一番好きな話だ、というので再読。 二十数年前と現在、さらに三十数年前とが繋がる。ある音楽で。 息子の正義、ハイジャック、ミュージシャンのレコーディング。 まさに、風が吹けば桶屋がもうかる。 めぐりめぐって「彼らの音楽が、世界を…

『銃(中村文則)』

『銃』を再読。 大学生の抱える退屈と狂気。何かとすぐセックスという男子大学生のメンタリティや、銃を持っていることの落ち着きと狂気。 クライマックスは電車の中で。ラスト2行は現代の狂気そのもの。そんな狂気にもリアリティがある(ような気がする)か…

論壇時評「現実 追認せず合意形成を」_小熊英二

村民の1/4が技能実習生だった長野県川上村(日本一のレタス出荷量で知られる)のように、外国人なしに成り立たない地域や産業も少なくない。 ドイツと日本の再軍備の経緯の違いを指摘する。ドイツでは、民主主義と軍隊をどう両立させるか議論して再軍備し…

論壇時評「充実を支持する層は」_小熊英二

福祉の充実が、貧しい人に支持されていない。嘘のようだが本当の話だ。 大沢によれば「日本の税・社会保障制度はOECD諸国の中でも最も累進度低」い。とくに社会保険料は、低所得の人ほど相対的に負担が重い。 純粋に政府からの所得移転だけをみても、日…

『anone #6』

高度資本主義国家で、偽札づくりっていうファンタジー。 不適かつ大胆な役やらせたら傑出の、瑛太の良さ出てきた。 「ぼく、観たことあるんですよ。完璧な偽札を..」 「偽札に、被害者はいません」 「少し古いくらいが美味しいのよ」

『Mother #1』

芦田愛菜ちゃん可愛い過ぎる... 「嫌いなもののことを考えちゃダメなの。好きなもののことをずっと考えるの」 「いつきちゃん聞いて。わたし、あなたを誘拐しようと思う」 わたしあなたのお母さんになろうと思う。 あなたと二人で生きていこうと思う。 あな…

『子どもが生まれても妻を憎まずにすむ方法』

画像はここでの話とは無関係 標題は、アメリカ輸入本のパクリ題だ。 アメリカってやつあ、いつだって資本主義的事象をあるいはその経済システムがもたらす人間社会の個別的現象を先取りしてやがる。 きっとこれだって、半年くらい遅れて日本でもぱーっとSNS…

『往復書簡:初恋と不倫 (坂元裕二)』

不帰の初恋、海老名SA。カラシニコフ不倫海峡。 不帰の初恋、海老名SA どうして三崎さんには僕が見えるのですか。不思議です。 そういうことに旅のしおりを作る人はいません。 豆生田にはチャーハンをおかずにしてご飯を食べる特技がありました。 悲しみ…

『カルテット(8)』:死ぬなら今かな?っていうくらい、今が好きです。

別府「いつもそのコーヒー牛乳飲んでますね。好きなんですか?」 すずめ「あ、はい。好きだってこと忘れるくらいいつも好きです」 家森「5文字しりとりする?か・た・お・も・い」 すずめ「いいんです。」 へえ〜からは何も生まれませんよ。へえ〜を生まな…

『カルテット(6)』:どうしてこうなったのか、わたしにもわからないんです。

結婚した相手の価値観の違いを、どういうところに観るか。 唐揚げに何も聞かずにレモンをかける妻。 「これ、人生ベスト1だから」って借りてきた自分の好きな映画を一緒に観ているときに、「この人はいい人か悪い人か」とか「なんでさっき一緒にいたのに今…

『カルテット(4)』:妻ってのどぐろです。結婚届けは夢をかなえるドラゴンボールです。

ゴミを捨てない人間は、ゴミから見てもゴミです! どうするんですか?この家、ゴミ屋敷になりますよ。マスコミ来ますよ。 飼ってたハムスター死んで悲しいって言ってて、一緒に映画観に行ったら映画の中でもハムスター死んじゃって。 (家森、茶間子との出会…

『カルテット(3)』:泣きながらご飯を食べたことがある人は、生きていけます

自分からキスしたら、男に恋は生まれません。 「こんにちわー」 「こんにちわー」 「さようならー」 天気予報って、上唇と下唇くっつけないで5回言ってもらえます? 「家族だから....行かなきゃダメかな」 「すずめちゃん、病院行かなくていい。 食べ終わっ…

「カルテット(2)」:翌朝、カラ友とベランダでサッポロ一番

真紀「街中で人と会って喋って、10分くらいしてから「この人知らない人だ」みたいなことってないですか?」 すずめ「ないですっ」 真紀「今日も目が笑ってないですよ」 ありす「ひどいー」 ・行間(他人に言われた言葉の真意を汲取り、言い換える) 「結婚す…

『カルテット(1)』:人生はレモンをかけてしまった唐揚げのように

脚本 坂元裕二。 ・「この女性と友だちになる仕事です」ともたい扮する巻鏡子。 ・新宿のカラオケボックスでたまたま会った四人。しかも全員が弦楽奏者。 平熱高いと、ここからちょっといいにおいがするんです だいじょぶなら態度もだいじょぶにしてください…

『レボリューショナリーロード(2008 サム=メンデス)』

人生にとって、退屈って最大の驚異。 誰もがみんなそんな状態からは逃げたくてしょうがない。 さらに、それが夫婦関係であったならば。夫婦それぞれが人生において「退屈。」と感じるようになったならば。 これは、そんな「人間の退屈」という意識と空間に差…

『もものかんづめ(さくらももこ)』

ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこのエッセイのセンス。ワーディングの絶妙さ。視線のシニカルさやユニークな文章には定評がある。 「健康食品三昧」 ケーキ屋の試食品をばくばく食べている女がいる。それが正午の人であった。 彼女は花柄のブラウスにパ…

『ファミリーレス(奥田亜希子)』

朝井リョウだか誰だかが薦めていた若手作家ということで手に取った。 いろんな家族の形、六篇からなる。 物語の進行のために登場人物にわざわざ言われている台詞があったり、無理に小説(風の表現、あるいは文語的紋切りと言おうか)にしようとしている不自…