ここがパンチライン!(本とか映画、そんでときどき新聞の)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

創作のヒント 

『わたしたちが孤児だったころ(カズオイシグロ)』

こんなにも明白はタイトルなので、説明されないと(あるいはしっかり予測を立てないと)そのタイトルが持ってくる意味がわからない。ましてやこの人の小説なら、何かがあるのだ。 彼の小説は、「人間がもっている幼少期の記憶の曖昧さ」に根ざしている。誰も…

『日本語が亡びるとき -英語の世紀の中で(水村美苗)』

成田ーホノルル間で読む。太字で書き留めることが、実に多い。 国の言葉を考えるとき、この国のユニークさと近代以降の激動を考え合わせれば、ドラマティックにならないはずがない、そんなことを教えてくれる稀有な現代日本語文化論。 アイオワ大学は全米で…

『半落ち(原作:横山秀夫)』

ホノルルから成田までの機上で。04年作。 冒頭、「女房を殺した」と自首してきた、元警察刑事部の梶(寺尾聡)。 柴田恭平が群馬県の期待刑事として出てきて、冗談でも言ったときには誰もが、あぶない刑事を想起して台無しになりそうなところを、一応はその…

『007 スカイフォール』

MGMメトロゴールドウィンメイヤー、サム・メンデス監督。 興行収入は全世界で11億800万ドル MI6という諜報組織の本部本丸が、内部を熟知した人間にハッキングで狙われるスリリング篇。 007シリーズは、街中でドンパチやり過ぎる感が爽快だ。 Mに「あの…

『すべてはモテるためである(二村ヒトシ)』

いい歳して、人として卑しいふるまいをするというのも ・「モテていたのは俺じゃなくて、俺の年収かも」などと気づいて(バカがへんな治りかたをして臆病になっちゃったんです。) よくない苦労をすると人間はますます卑しくなります 性格は断念によって形成…

『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか(二村ヒトシ)』

AV監督という餅屋としての経験と感性でここまで「わかった人」という印象だ。 巻末の対談はで、著者がカウンセラーの女性に怒られたりしていて面白い。体系化はしていないけれど、このテーマにおける示唆に富んでいる。 ・「自分を認めて、愛することが自己…

『ゼロから始める都市型狩猟採集生活(坂口恭平)』

都市でゼロ円で生きよう。「都市の幸」で稼ごう。 という企画が、綿密なヒアリングと取材によってまとめられている。取材の対象を本気でリスペクトした、坂口恭平ならではの仕事。 ・段ボールハウスって結構あったかい。 ・アルミ缶は1kg=70〜100円(1週間…

『ぐっとくる映像にはルールがある 表現の技術(高崎卓馬氏)』

電通クリエイティブディレクター。 インテル入ってる、ドコモdビデオ、オランジーナ、行くぜ東北、などのCMCFで有名。提案する機会があったのでまとめて読んだ。 感情は振り子である。映像を作る際には、人のこころに変化を意識的に作り出す必要がある。 人…

『スクラップ・アンド・ビルド(羽田圭介)』

フリーター、25歳、健斗。 実家で同居するじいちゃんは、身体も思うようにならなくることが多く「はやく迎えにきてほしい」と弱音ばかり吐くようになっている。 薬漬けの寝たきりで心身をゆっくり衰弱させた末の死を、プロに頼むこともできないのだ。 湯温…

『あなたが消えた夜に(中村文則)』

冒頭の夢の話(あるいは昔から悩まされる悪夢や光景)は、この人のお約束だ それは主人公の罪悪か性的な原体験である事が多い 彼は刑事である。 大きな事件や連続殺人で捜査本部が設置されると担当所轄と警視庁の人間が一緒に動く 警視庁の女性刑事小橋さん…

『ザ・コーヴ』

【FACT】・ある水族館では、浄水システムが故障すると、騒音障害で片っ端からイルカが死んでいった・年2万3千頭のイルカが殺されている太地町は、世界最大のイルカ供給地。一頭15万㌦で市場で売買され→鯨肉として売っている可能性がある(多量の水銀を含む)…

『8月の家族たち』

バイオレット(メリル ストリープ)バーバラ(ジュリア・ロバーツ)カレンアイビーベバリーリトルチャールズマティーフェイおばさん だだっぴろい平原に道路いっぽん。まさに巨大なアメリカ中部。 果たして、”インディアンを殺してでも手に入れる土地だった…

『紋切り型社会(武田砂鉄)』

当たり前のように使われている言葉をほぐして考える。そこで思考停止になってたのは自分自身だ、と気づかされる。01「乙武君」乙武君の“君”から拡げる、日本の”君”ブラックホール史。障害者→24時間テレビのえげつなさ(障害者に動いてもらうと数字が上がるん…

『職業としての小説家(村上春樹)』

かなり正直に誠実にお話しされています。 この人のついて、いまさなどう言うでもないです。 これを読んでまた村上春樹の小説が読みたくなった。それだけです。 ・・・多くの学生と同じように、その運動のあり方に幻滅を感じるようになりました。そこには何か…

『テロリストのパラソル(藤原伊織)』

[主人公の人物造形] ・小さなバーのバーテンやってる・メニューはホットドックだけ(めちゃうま)・アル中でウィスキーばっか飲んでる・若い頃、学園闘争の縁で前科あり・ピンチのときこそ軽口たたく・気が強い女が好き(当時も娘も)[話のあらあら筋]・公園…

『火花(又吉直樹)』

文藝春秋、受賞作掲載号 なるべく先入観を排して、読もうと思っていた。とりわけ最近、文春の役員の方と知り合ったこともあり、「プロモーションとしてではなく、時代と文芸者の評価がしっかりなされた受賞だと思いたい」という点もあったからだ。 まあそも…

『デブを捨てに(平山夢明)』

登場人物は金がない。社会の底辺。日雇いかその日暮らしだ。稼ぎか食い物のために、奇天烈な人間たちに関わって悪に関わる。 性と暴力に遠慮がなく、描写もグロテスク。乾いたユーモアと設定のシュールさが、癖になる。 また、メタファーが簡潔にして言い得…

HOUSE OF CARD seazon1

主演、デビッド・フィンチャー製作指揮。 劇中演技の地続きで、画面に向かって心理や思惑を語りかける。 地元のゴタゴタを治める回。 聖書とBBQと重労働の土地。無力で貧しかった子供時代は故郷を憎んだ 「いくら私を軽蔑しようと訪ねてきた相手にはアイステ…

『中身化する社会』菅付雅信

菅付雅信さんの著書 以下メモ。 ・コンフォートフードが増えている。「本質的だ」「心地よい」「10マイル以内で生産する透明性」「使い捨て文化への対抗」「質のいいものを選ぶ」 ・都市生活者にファッション離れの兆し ・日本の中流階級がぶっこわれて、…

『遠い山なみの光』カズオイシグロ

カズオイシグロは、不条理の中に生きる人々の感じていることや息づかいを捉えるのがうまい。 悦子と佐智子との会話は、佐智子が自分本位に言いたいことを言うだけで、なかなか成立しているようには見えない。しかしやがて、悦子の言っている事も自分本位では…

『逆境を乗り越える技術』佐藤優×石川知裕

石川前議員に対する、印象が変わった。佐藤優がここまで信を置く人だ。自分も、人を見るときにバイアスにまみれているということが改めてわかった。 佐藤優の見識と洞察は、いつもながらに深い。 ・将来のことは、現在の組み立てで変えることができる ・年を…