ここがパンチライン!(本とか映画、時々 新聞)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

自己を更新してく 

サンクチュアリ(4): 俺は三日であんたを抱ける!

とにかく旧体制(ぬるま湯に浸かってた全世代に)に対して怒ってんだよな。 怒りはパワーだよな。 何度でも言おう。 自分がヤクザに抱かれたいのに「抱かせてあげる」とカッコつけてこぼす杏子は、東大卒警視である。 毎度恒例、杏子のお色気省察のお時間で…

『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か(平田オリザ)』

4年前くらいに読んでいて本棚にささっていたものを再読。 こんなにも太字ばかりの本を、まだ取り扱っていなかったなんて。。。 無能。。 コミュニケーションにおける無駄(ノイズ)の大切さや、学校の授業はメチャクチャに教えた方がいい」といった まさに…

『僕らが毎日やっている最強の読み方(池上彰・佐藤優)』

日本人の精神が内向きになっていることの裏返しの現象。 海外ニュースになったとたんにがくんと数字が下がる。 p56 ゼロ戦は、海軍からの矛盾だらけの要望に応え、あらゆる性能を満たそうとした結果、一発弾が当たったら火だるまになるような飛行機になっ…

『「都市主義」の限界(養老孟司)』

会社の図書館で見つけた、養老翁の各種コラムや講演原稿を編み直したもの。 最近、深夜のテレビで養老翁が加藤浩二の質問に答える番組やってて、急いで録画した。この人の話していることは、先達の経験と知恵として胸に留めておくべきことが多いような印象が…

『死んでしまう系のぼくらに(最果タヒ)』

思春期に読んだらやばい系だったわー 30過ぎても、ぐっとくる言葉たち。 詩の批評ってほんとに難しい(もちろん短歌よりも)。 共通理解や前提が少ないからだろうか。 個々が描いた風景について、おそるおそる語るしかないのだ。 意識される、死と他人の目。…

『ダラスバイヤーズクラブ(2014)』

テキサスはダラス。 ロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)。 掛け金持ってトンズラこいたりする、ロデオ仲間の荒れた生活。 闘牛場の視覚で女を抱く。オカマとか大っ嫌い。 でもHIVポジティブで、余命30日と診断される。 メキシコまで行って、HIVの違…

『宇宙を織りなすもの(上) ブライアン・グリーン』

喫煙所でタバコ吸ってたら関連会社の兄ちゃんが、この分厚い本読んでた。 文学ばっかりやってる俺たちも、全然気にならないわけじゃない。 宇宙について。 難しい計算やモデルの解説ぬきで、宇宙や量子について分かりやすくアプローチする。 著者の態度は生…

『宴のあと(三島由紀夫)』

1960年、実在の人物をモデルにした小説とされる。 発表後、訴えられる。 初の「プライバシー権」対「表現の自由」の対決だった。 福沢かづ。雪後庵。野口雄賢。永山元亀。選挙参謀山崎。佐伯首相。奉加帳。 (畔上輝井。般若苑。有田八郎。1959年都知事選。…

『断影 大杉栄(竹中労)』

ボルシェビキよりも、アナーキズムだ。 (アナボル論争みたいなもんでね」と言ったら、労働者を中央の統制に従う組織にしようとしたボル派と、地方の個々の団体が主体性を保ったまま自由意志で連合すればよいと考えたアナルコ派) こんなに面白いルポは初め…

『竹中労(KAWADE MOOK)』

#トップ屋 竹中 この世の中に面をさらしたい、有名になりたい、ゼニは稼ぎたい、自分の生活は隠しておきたいなんてムシのいい話はないでしょう。 SEXとは見るものではなく、行うことであったから。ゆえに人々は健康だった。性を抑圧されてノイローゼにな…

「勝率2割の仕事論 ──ヒットは臆病から生まれる (岡康道)」

岡さんの著作を部の先輩に貸してもらった。 彼女の近所に岡さんが住んでいるらしく、子どもの保護者という繋がりで話す機会もあるんだと、で買ってみたんだが、となかば強引にデスクに置いていかれた。 で、せっかくなんでがーっと読む。岡さんの著作は初め…

『奇跡を起こす』立川吉笑氏(8月10日付 朝日新聞)』

ほんとに朝日新聞のオピニオン面は、ときに、テーマと人選が絶妙で、実に頼もしく思う。 立川吉笑氏が出てたのでしっかり読む。 談笑の弟子、川田十夢さんの押しで注目するようになった。 彼の落語には、談志タームである"伝統を現代に"、"イリュージョン"、…

『高倉健インタヴューズ(野地秩嘉)』

「日本刀は心が安らぐんですよ。夜中に引っ張りだして、すーっと抜き身にして、ぽんぽんぽんって打ち粉を打って、そして眺めます。刃物ってのはただの道具なんですが、日本刀だけはそんな機能を通り越した美しさを持っているように思います。選び抜かれた鉄…

『プラグマティズム(文化の扉@2016年5月29日付 朝日新聞)』

異なる信念の共生へ 試行錯誤 ・1870年代の米国 パースやジェームズ ・南北戦争を反省に「異なる思想の共生を目指し、唯一の正しさを否定するところからプラグマティズムは始まった」 ・人間の知性は誤り得るとして、唯一絶対の真理を探究する伝統的な西…

『三島由紀夫 行動する言葉100(英知出版社)』

やたらと人に弱味をさらけ出す人間のことを、私は躊躇なく「無礼者」と呼びます。 常に強がるのが軍人や政治家の仕事なら、弱味を見せるのは芸術家・小説家の仕事ともいえるのではないか。 老人はいやでも政治的であることを強いられる 三島が考える政治的と…

『天変地異と心』養老孟司@2016年3月11日付 朝日新聞

ー東日本大震災の直後、「戦前、日本が曲がっていったのは関東大震災からではないかと考えている。大正デモクラシーがなぜ、軍国主義に変わってしまったのか。震災の影響が非常に大きかったのではないか」と言われました。 「脳は言わば入力装置ですが、例え…

『二分法の世界観』是枝裕和@2014年2月15日付 朝日新聞

谷川俊太郎さんとご一緒したのですが「詩は自己表現ではない」と明確におっしゃっていました。詩とは、自分の内側にあるものを表現するのではなく、世界の側にある、世界の豊かさや人間の複雑さに出会った驚きを詩として記述するのだと。 水俣病を撮り続け、…

『文系で学ぶ君たちへ』@2016年4月7日付 朝日新聞

ただの言葉の連なりが、誰かの心には刺さって絶対的なものになり、そうでない人には何の価値もない。一般に役立つとされるものって役立ち方が決められているけど、詩は読んだ人ごとに解釈がある。それがいいんです。(最果タヒ) 役立つことだけを求めていっ…

『 ブレーキングバッド Season1 ep.1(Netflix)』

西田善太さんが、ハマってるって言ってて ハウスオブカード見終わったら観ようと思ってたら、あらこんな時間。。 ニューメキシコに住む、清き真面目な化学教師。 真面目で平凡に生きてきたが、ガンで余命宣告される。 ヤクの精製現場に踏み込むのに同行し、…

『愛と暴力の戦後とその後(赤坂真理)』

一昨年のスペイン旅行のときに持って行ったこの新書。 アンダルシアの、一面をオリーブという田舎を突っ切るバスのなかでかじりついて読んだのを覚えているが飛行機の中に忘れてきてしまったのか持って帰って来れなかった。 最近改めて購入した。 本人も断っ…

『いやな感じ(高見順)』

売春宿の女にホレそうで嫌だ。 初恋だ。身請けしよう。みたいな冒頭シーン。 火の玉みたいな向こう見ずな男がテロリストとして、女に惚れっぽいが、身を立てようとする。 基本的には、女郎屋とか淫売屋が、生活の中にある文化。 戦争と、政治と、血があるの…

『日本の中高年男性は「対等」に気付こう -平田オリザ(2014年3月23日 朝日新聞)』

日本語には欧米の言語と比べて、対等な関係で褒め合うボキャブラリーが極端に少ないと感じます。上から下へ「よく頑張ったな」という種類と下から上に「すごいですね」といった表現はありますが、同じ立場でたたえ合う言い方がほとんどありません。これでは…

『2択思考(石黒 謙吾)』

今日ご本人にお会いするので、3つ目の著作をチェック。 自分の好みのパターンがわかっていることは、素早い決断につながる。 直感が働くのは、ふだんから「何でも選んでいるから」。 自分が好きなことを意識してない方が多いような気がします 対象物が自分…

『分類脳で地頭が良くなる(石黒謙吾)』

今週ご本人にお会いするため、著作を読む。 和が意を得たり!まさにこういうこと!思考(アイデアの地平)を水平に展開していくこと、違うアプローチで言ってくれた!ほんとに弟子入りしたいわ。 すごい成績を上げている営業マンは必ず分類していると想像し…

『ぼくらの仮説が世界を作る(佐渡島康平)』

この12月の刊行の新刊だったし、旬な人なんで丸善でカゴに入れました。 ネット世界では、一目置かれてる人、という印象。 編集者という肩書き、灘→東大→講談社って、どうしたってこの部分のブランドも効いてると思う。糸井さんもそう安々と帯文を受ける人じ…

『わたしたちが孤児だったころ(カズオイシグロ)』

こんなにも明白はタイトルなので、説明されないと(あるいはしっかり予測を立てないと)そのタイトルが持ってくる意味がわからない。ましてやこの人の小説なら、何かがあるのだ。 彼の小説は、「人間がもっている幼少期の記憶の曖昧さ」に根ざしている。誰も…

『永続敗戦論(白井聡)』

初読後、2年と経てず、再読。 本棚の背表紙を見て、あれ?「永続敗戦論」ってどうゆうこと言ってたんだったっけな?と思ったのがきっかけ。 日本人の歴史的無知は、無自覚であることが元凶だと思って。 いまがどういう状況なのか、そのことに無自覚なので、…

『すべてはモテるためである(二村ヒトシ)』

いい歳して、人として卑しいふるまいをするというのも ・「モテていたのは俺じゃなくて、俺の年収かも」などと気づいて(バカがへんな治りかたをして臆病になっちゃったんです。) よくない苦労をすると人間はますます卑しくなります 性格は断念によって形成…

『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか(二村ヒトシ)』

AV監督という餅屋としての経験と感性でここまで「わかった人」という印象だ。 巻末の対談はで、著者がカウンセラーの女性に怒られたりしていて面白い。体系化はしていないけれど、このテーマにおける示唆に富んでいる。 ・「自分を認めて、愛することが自己…

『人間・この劇的なるもの(福田恆存)』

冒頭の一章を興味深く読む。その後は、劇作家の演劇論。 愛は自然にまかせて内側から生まれてくるものではない。ただそれだけではない。愛もまた創造である。意識してつくられるものである。 女はそう思う、だが男にはそれがわからない。 愛情は裏切られ、憎…