ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

自己を更新してく 

『わたしたちが孤児だったころ(カズオイシグロ)』

こんなにも明白はタイトルなので、説明されないと(あるいはしっかり予測を立てないと)そのタイトルが持ってくる意味がわからない。ましてやこの人の小説なら、何かがあるのだ。 彼の小説は、「人間がもっている幼少期の記憶の曖昧さ」に根ざしている。誰も…

『永続敗戦論(白井聡)』

初読後、2年と経てず、再読。 本棚の背表紙を見て、あれ?「永続敗戦論」ってどうゆうこと言ってたんだったっけな?と思ったのがきっかけ。 日本人の歴史的無知は、無自覚であることが元凶だと思って。 いまがどういう状況なのか、そのことに無自覚なので、…

『すべてはモテるためである(二村ヒトシ)』

いい歳して、人として卑しいふるまいをするというのも ・「モテていたのは俺じゃなくて、俺の年収かも」などと気づいて(バカがへんな治りかたをして臆病になっちゃったんです。) よくない苦労をすると人間はますます卑しくなります 性格は断念によって形成…

『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか(二村ヒトシ)』

AV監督という餅屋としての経験と感性でここまで「わかった人」という印象だ。 巻末の対談はで、著者がカウンセラーの女性に怒られたりしていて面白い。体系化はしていないけれど、このテーマにおける示唆に富んでいる。 ・「自分を認めて、愛することが自己…

『人間・この劇的なるもの(福田恆存)』

冒頭の一章を興味深く読む。その後は、劇作家の演劇論。 愛は自然にまかせて内側から生まれてくるものではない。ただそれだけではない。愛もまた創造である。意識してつくられるものである。 女はそう思う、だが男にはそれがわからない。 愛情は裏切られ、憎…

『ザ・コーヴ』

【FACT】・ある水族館では、浄水システムが故障すると、騒音障害で片っ端からイルカが死んでいった・年2万3千頭のイルカが殺されている太地町は、世界最大のイルカ供給地。一頭15万㌦で市場で売買され→鯨肉として売っている可能性がある(多量の水銀を含む)…

『紋切り型社会(武田砂鉄)』

当たり前のように使われている言葉をほぐして考える。そこで思考停止になってたのは自分自身だ、と気づかされる。01「乙武君」乙武君の“君”から拡げる、日本の”君”ブラックホール史。障害者→24時間テレビのえげつなさ(障害者に動いてもらうと数字が上がるん…

『ぼくらの民主主義なんだぜ(高橋源一郎)』

ふと手に取った新書が、そういえば朝日新聞紙面で個人的によく読んでいる「論壇時評」のまとめ新書。 マーケのセミナー中にずっと読んで読み終える。 この人は、右とか左とか関係なく、社会の変化や権力の横暴、国民の無自覚、いやおうもなく存在する人と社…

『ねじまき鳥クロニクル(第1部 泥棒かささぎ編)』

テーマは”夫婦の間の闇”だろう。謎の女からの電話は(性的な、否、精神的な)”誘惑”である。 自分はこの女について何を知っているんだろうと自問した。 僕がこうして送っている結婚生活というのはいったい何なんだろう?そしてそのような未知の相手と共に生…

初めて課題を発表をする

1回目、9番目の発表。 悪しき例として選ばれた人がいたり、あまり良くない例も多い。選出者とはいえ、総じてレベルは高くない。 あまり新味もなく、面白い切り口とは言えないものを中盤で褒め上げていた。トンマナを理解(つまり出題者の価値とスタンスを…

真夜中のプレゼン特訓

午前3時くらいから、パワポによるプレゼン特訓をした。それまでリビングで寝ていたからだ。ストップウォッチでタイムを図り、第三者にどれだけ伝わるか、わかりやすいかに注意して説明をする。第三者の目を入れる作業だ。三分で話せる内容は少ない。複雑な…

木曜の夜、気持ちは急速に冷めていった。

その夜、上席と来期の体制について話をしてから、気持ちは急速な冷めていった。いい気になっていた。 世界に祝福されているとばかり思っていた。もちろん、勘違いもあった。 あなたのスパルタな恋愛に付き合います、 申し込んだその日だったからかもしれない…

松本ヒロ、後、ゴールデン街2軒

会社の先輩と新宿紀伊国屋ホールに行った。松元ヒロのソロライブ。談笑の落語会会場で会ってしまったりするくらい、落語が好きな10以上上の先輩だ。最後に松本ヒロのライブを観たのは、談志が生きていた頃に見て以来なので、3年以上前になる。志の輔同様…

朝日新聞のオピニオン面は読む価値があると思う。

朝日新聞のオピニオン面は読む価値があると思う。 取材の切り口や取り扱うテーマが多岐に渡り(少なくとも読売新聞よりは)、知見を開かせてくれると思うからだ。 同じ、編集をなりわいにする人間として、このテーマと切り口の設定、人選と構図のダイナミッ…

『逆境を乗り越える技術』佐藤優×石川知裕

石川前議員に対する、印象が変わった。佐藤優がここまで信を置く人だ。自分も、人を見るときにバイアスにまみれているということが改めてわかった。 佐藤優の見識と洞察は、いつもながらに深い。 ・将来のことは、現在の組み立てで変えることができる ・年を…