『犯罪は予測できる』小宮信夫
これは新書タイトルの妙というものだろう。
人は、この「予測できる」という言葉のいかにも頼もしい語感に、「心の闇」という表現にいきつくような痛ましい事件、カルト的犯罪にいたるまで何らかの予測が可能かのような印象を抱いてしまうだろう。
犯罪とは、すべて原因や犯罪者から語られるべきだし、実際そうだろうと思っていた。
この本は、犯罪者が選んだ場所(犯行現場)の共通点を探る”犯罪機会論”の話だ。
・景色を解読する
・犯罪者にだまされてついて行く子供は、防犯ブザーを鳴らそうと思わない
・「虫歯を見てあげる」と言って、口を開けて歯を舐められた女児の話
・割れた窓は、その背景に地域住民の無関心や無責任があることを想像させる。日本でも、『水文・水資源学会誌』で、水質汚濁が著しい河川の流域ほど犯罪発生率が高いという分析結果が報告されている。
・ゼロ・トレランス(不寛容型)の警察活動につながるんじゃないか