ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『春の雪』三島由紀夫

環境や状況がいいときも悪いときも、苦しい、内面がこんなに苦しいんだ。
という話。政略結婚のため、叶わぬ恋愛結婚をこじらせこじらせ、自害と出家。

松枝侯爵家 清顕(きよあき)、綾倉伯爵家 聡子(さとこ)、蓼科、本多、飯沼、みね

境遇、容貌ゆえ、自己を愛す過ぎて人に自分を恃めない。
孤高なプライドの病気。自己の内面を友にさえ曝け出せない。
自分を愛してくれる人間を軽んじ、軽んじるばかりか冷酷に扱う。

「あの人を穢す!それが必要だ。あの人が二度と立ち上がれないような侮辱を与える!」
「そういう悪魔的な行動をするあなたの〜」という手紙の自家撞着全快。しかもそれを読んでくれるな。読む前に焼いてくれ、という身勝手な懇願。

「」

婚儀取り交わし勅許の後の、交接。

「手紙は返せない。またこうして遭いたいからだ」
なるほど、ここで脅迫する設定。そういうプレイか。

これ以上にない、シチュエーションプレイ。近代的非日常性向。