ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『8月の家族たち』

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バイオレット(メリル ストリープ)
バーバラ(ジュリア・ロバーツ
カレン
アイビー
ベバリー
リトルチャールズ
マティーフェイおばさん

だだっぴろい平原に道路いっぽん。
まさに巨大なアメリカ中部。

果たして、”インディアンを殺してでも手に入れる土地だったのか”

そんなオクラホマの実家に兄弟が戻るところから始める。


「人生はとても長い」  T・Sエリオット


母親の狂気地味た悪態に、うんざりしている夫。

冒頭で登場するインディアンの家政婦。

夫が失踪し、家を出たっきりなかなか帰って来ない娘たちが集まる。

 

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葬儀後の食卓で、故人をこき下ろす母。薬のせい??

冗談と怒声。シリアスとコミカルの入れ子構造。

遺産は全て伴侶であるバイオレットに書き換えられたことを娘達に告げる母。

憎まれ口に、娘の夫婦のトラブルを食卓でぶちまける母。

あんたたちにここの平原暮らしの何がわかる。

最悪最低な団らん。


母親の幼い頃の、クリスマスプレゼント(男物ブーツのエピソード)


15の娘にマリファナ教えて身体を触ろうとする、2番目の妹のフィアンセ

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末妹アイビー「私はそれほどの絆を感じてない」と、従兄弟のリトルチャールズと、家を出てNYに抜け出そうとするもリトルチャールズが兄妹であると知らされて(マティフェイおばさんと父親の不実という事実)絶望する。

 

「どうしてお前らは家族を傷つけるんだ。今後も実の息子に対してつらく当たるなら、結婚生活39年目はないと思え」 

 

「悲劇のヒロインぶるのはやめて、あんたは自分に酔いしれてるだけ。鯰を食べなさい。」

「いいから鯰を食べなさい。」

「喰えっていってんだよクソババア!」

 


現実が残酷で最低過ぎて、もう冗談みたいな軽口しかいえない。

そんな映画でした。