ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『デューン/砂の惑星(デヴィッド・リンチ版 84年作)』

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物語の設定と映画の始まりは複雑だ

スパイスの取れる砂漠の惑星デューン

スパイスは、人にさまざまな特殊能力を可能にする

とすると、もちろんそのスパイスを宇宙中で奪い合っている。

ただ、スパイスを取るには、巨大な虫がを避けながら取らなければならない

 

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「香料を制すものが世界を制す」のだ。

 

 

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冒頭で、大仰な水槽に入った巨大脳組織が出てくる。

偉い人物そうな口調で、皇帝(後でわかる)に指令を告げる。

口元は女性器のイメージそのもの。しかもしばしばドアップ。

今後炸裂するリンチの変態性が垣間見える。

彼の話から、惑星を統治する皇帝がおり、正義を着る伯爵がいて、強烈キャラで悪漢なハルコネン男爵がいる。遥かなる銀河系の話であることがわかる。

スターウォーズ第一作目「新たなる希望」が1977年

 


戦闘シーンは、個々の人間がシールドを貼って戦うため、ボックスポリゴンで身体のあ各部位が囲まれる形になる。90年代のゲームそのもの。

 

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ぶくぶくの宇宙服で、若い男の生き血を吸って喜ぶはハルコネン男爵。

今回一番の収穫だ。

 

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うれしいことがあると飛ぶ。

エンディングでは皇帝をして、「あの空飛ぶデブはどこいった?」と云われてる始末。

 

 

「砂漠と血(血統と血液の2つ)」というのが、

物語全体を貫通するテーゼになっている。


正当な主役らしき血を引く男(決まって、ピュアで綺麗な顔をしており、汚れを知らない)が、裏切りに合い父親を殺されて土地を追われ、砂漠でゲリラ化する。現地の人間を組織化し、トレーニングし、さらに自ら超神水を飲み(選ばれた人間の称号を得て)、悪党を滅ぼす。

 

正義に刃向かう者に 彼は言葉で殺す

 


こんだけ壮大なシーンと舞台の設定をしておきながら、最期の決闘シーンはギャラリーが見守る中、特殊効果も一切ゼロのナイフでの殺陣。刺し合い。。。

おいおい、これまで散々駆使してきた特殊能力や衝撃波みたいなものはどうした!?

 

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リンチ監督も今では自分の監督作品だと認めたがらない、

突っ込みどころ満載の映画です。

 

 

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