『悪い男(キム・ギドク)』
キム・ギドク作品は嫌いな日本人が多いだろうな、という印象。
間違っても、日本では成功しない。
いまのところ、そういった作品たちだ。
冒頭シーン、有名な街角ぶっちゅーシーン。
ベンチで恋人を待っている女子大生ソナを、隣に座ってじーっと見る男。
やばいよ、こいつなんかやるよ、という予感を裏切りながら、女子大生の恋人が現れ、ベンチから離れる女。の手を引き寄せて強引にキスをする。恋人のいる前で、長い事。
このシーンだけで作品世界を作り上げる。
その手腕は大したもの。
その後は財布をしのばせて女子大生をはめて、スリの疑いをかける。
金を支払え、担保はあんたの身体だぞ、で娼婦に身を落とすことに。。。
男たちは娼婦宿の用心棒。
商売道具に手を出さない。もちろん金を払って客としてはやるが、本気中にならない。
マジックミラー越しに、じっと見てるだけ。
彼女に対する愛とか性愛とかを、徹底的にこじらせていく。
銭湯にも行けない身体にされたいか!?
最低の出会いと、最低の仕打ちを施されたにもかかわらず、
男の自分に向かっている気持ちにほだかされていくソナ。
この辺が、女性からしてみれば全く納得も共感も出来ないところだろう。
男の中二的、ご都合主義的感情論である、と。
なるほど、ソナの中には男に対する怒りと恨みでいっぱいなはずだ、女の情態というものはそんなに安くないものだと、自分も思う。
個人的には、この女子大生ソナに対して、自分が大学生のときに寝てくれていた女子大生(当時読者モデルとしていて、いまもモデルでメディアで見ることがある。この子のために2単位落とした)を思い起こさせてくれたため見続けていられたようなもの。
「私は巷で抱かれているほど、韓国に対して憎悪や嫌悪を感じていない」
と前置きした上でこの作品を評価させてもらうと、
まさに韓国映画の劣と俗
韓国の男性的価値による性愛に絡めたチープなリアリティだ
時代劇で流れるような、徹底的にダサい劇中歌(アリラン的?)
もうこの人の昔の作品は見ないと思う(他に観るものが多いので)