ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『ダンス・ダンス・ダンス(上)』

学生の頃から、読むのは何回目か。

 

さすがに、ロレックス、港区、メルセデス、経費、高度資本主義社会、、そういったシミュラークル的名詞に古びた印象を受けた。

そりゃそうだ。古びなきゃおかしい。30年も前に書かれたの小説なのだ。

自分に対するこの作品の環境設定の影響の大きさを感じた。

ブランドものなんか、いらないのだ。

金で買えるものの価値があまりに相対化されてしまっている。

「何を今更」感をもって、この本を読める。

やれやれ、でもそれってフェアじゃないよな。

だってこの小説が書かれたのは30年前なんだから。

(裏を返せば、改めて読者にそう思われてしまうほどのこのリアリティを30年前に。それぐらい凄いってことだ)

 

ハイクラスの娼婦、パートタイムに耳専門のモデル、キキ、

彼女の存在にはとっかかりというものがなかった。

 

妻に出て行かれた男、文化的雪かき

34歳にして、僕は再び人生の出発点に戻ったわけだ。

いるかホテルに泊まろうと思ってあったドルフィンホテル、

「ねえ、悪いけど、他のところで他の人と寝てきて。怒らないから」と彼女は言った。

 

受付にいる眼鏡をかけた女性、「私どうも気になって仕方ないんです、そのホテルのことが」、

 

「彼女が僕と寝たがっているかどうかまではもちろんわからない。でも僕と寝てもいいと思っていることはわかった。」

 

「話すことが沢山ある時は少しずつ話すのがいちばんいいんだ。」


それは腐敗ですらない。システムなのだ。それが資本投下というものだ。


完璧な闇、羊の毛皮をかぶった男、

 

「変なこともしない?」
「変なこともしない」
「みんなそう言うだけど、ちゃんとするの」
「みんなはするかもしれないけど、僕はしない」と僕は言った。

 

僕の同級生、「片思い」という映画、キキ「どうしたっていうのよ?」、「経費を使う必要があるんだよ」、「みんな僕を呼びにきた。断れない。まるで僕自身なんてないようなものだった」、「でも考えてみたら僕は何も選んでないような気がする」、「彼女はただ寂しくて誰かに抱かれたかっただけなんだよ」、

 

オーケー、これは現実だ。間違いない。繋がっている。

 

彼女は新月のように淡く物静かな微笑を浮かべた。

 

パワー・オブ・ポジティブ・シンキング

 

「本当にいいものは少ないということがわかってくるからだろうね」

「つまらないものにも、些細なことにも心の震えのようなものを託すことができた」

 

「結婚してる?」

「一度した」

「離婚したの?」

「そう」

 

 

五反田くんの家で、 一緒に女を呼ぶ。

メイ「すごく親切にしてあげる」

 

赤坂署の漁師と文学。

2日間の供述調書。五反田くんに捜査が及ばないよう事実の完黙。

 

13歳、ユキの父親。牧村拓。

 

 

下巻につづく。。

 

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