『北の国から 83’冬』
草太にいちゃんは、青年団の農村花嫁対策委員。村の若者のためにラーメン屋の妙子(吹雪ジュン)を説得するところを、自分が懇意にしちゃう
五郎と熊さんは東京に出稼ぎに行く。五郎は、笠松みどりの700万の連帯借用証に判を押してしまっていたがゆえに借金を背負うことになる。
土地を手放すしかない状況だったが北村清吉のおっつあん(大滝秀次)の助言(「五郎、地べた離したらおしまいだぞ。」)や村の農家仲間への働きによって、土地を手形にすることがでけは免れた。
かつて豆大尽・沢田松吉(笠智衆)と言われた男は今はおじいちゃん。東京で借金をこしらえて、末年を自覚したのか故郷のふらのに帰ってきた。痴呆で昔の良かった頃の記憶しかなくなってしまった。700万の借金をワシの山を処分すればええと言うも山はもうとうに他人に渡ってしまっている。
純は、父親が背負った借金話を、忍び込んで隠れてたところで聞く。その息子の隣で。
正吉は、母親がこしらえた借金話を、忍び込んで隠れてたところで聞く。しかも、その連帯保証人の息子の隣で。
予期せぬ親の借金の話に正吉はふてくされていた。
「正吉、おじさん帰ってきても挨拶ひとつできないのか。屋根の雪かきはどうした?」
「この家に博打みたいなもん持ち込んでほしくないっ」って言って、花札を窓から雪の外に投げる。
正吉は家を飛び出し、帰って来なかった。その夜は吹雪だった。
翌朝、帰って来た気配があるという蛍の言葉に、皆だ近くを探すと屋根から滑り落ちたのか、五郎が雪の山を掘りはじめる。
蛍「やだー!!」
村の温情で借金を肩代わりしてもらえることになった五郎を囲んで、沢田家の松吉や妙子らで話をしている。あいかわらず「わしの山を処分したらええ」という松吉に対して、妙子は「いい加減にしてよ。山なんてとっくにないわよ。いい時代の話をしてるのよ。みんなに沢山迷惑かけて」という現実を突きつける。
いたたまれない松吉に対して、蛍はやさしい。涙ぐみながらお茶を渡す。「あたたまるから。」って。
エンディングは圧巻だ。松吉が、雪の中に雪の中に豆のタネを撒く。
ほとんど神話的名シーン。
北の国からは、人と人が生きている限りどうしても作り出してしまう、ある種の”どうしようもなさや言葉にならない空気”みたいなものを避けない。親と子の気まずさや、男と女の難しさというものを隠さず描いている。