『北の国から 84’夏』
北の国からの良さは散文的情景や心情を描けていること。
子供の頃、誰もが経験した事がある、自らの嘘や小さな不正に対する気まずさ、情けなさ。状況へのバツの悪さ。
東京からきた都会っこはパソコンに夢中だった。
これから世の中が変わっていくという。
純はショックだった。
パソコン情報誌を借りるだけと隠れて持って帰ろうとしたが失敗。
それを見ていた正吉が代わりに持ってきてやるも、そんなことしようとしてないという純に対して。
「やっぱりお前あ、汚ねえ奴だ」
”やっぱり”というのが、話を前後に動かす今回のトリガーワード。
純が自分の失敗を認めないことが以前にもあったのだ。
何も知らない都会っ子が父さんを馬鹿にした。
「へとへとだあ。」
悪いのは全部、正吉だな。
それはさんざん火の始末について蛍からも注意されていた純が、
ストーブの上ばねの部分に手袋を置いて正吉と出かけた夜、それが原因で火事になった。事情聴取で、自分のやった事実を告げられなかったのだ。
しっかし和解しないまま、札幌の母親の元に戻ることになった正吉。
別れ際、駅のホームで
「まあ、せいぜい生きててくださいよ。」
「おたくもしっかり生きててくださいよ。」
そしてあの名シーン。
正吉を送った帰り、閉店まぢかのラーメン屋で純が事実を告白し、心情を吐露する。
子供の前で、よその大人にまともな怒りをぶつけれられる父親。
それがいいんだ。