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ここがパンチライン!(本とか映画、そんでときどき新聞の)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『北の国から 92’巣立ち』

国民コンテンツ  テレビ

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これくらいからか。五郎の演技が大げさになった。より個性を研いできた。

富良野に一人でいることが(自分自身でひとりごつことが多くなった)、からという説明も出来るが、とことん甘くこびる言動や口調になったことは確かだ。蛍に「次はいつ帰ってくるんだ?」って電話するときとか。

「ふけたあー」

とか、終始機嫌良く酔っぱらってるときみたいな人物造詣。

飲み屋のシーンも増えた。待つ男(待つ父)なのだ。子供が帰ってくるのを本当に楽しみにしているのだ。(この「故郷で待つ父、それを疎む子」という構造は最後に事故で効いてくる)

 

雪子が遊びにくるという報せに子供のように喜ぶ五郎。

 「そのままにして。子どもと寝かしてもらってもいいかな」 

 

 

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蛍もまた、恋の真っ盛りだった。

父さんには言えないことだけど、富良野の駅には立っていた。

改札から出なかった。

蛍の語りは暗い。罪の意識にさいなまれた。

(恋人に会いに行くため、父親には会いに行っていない。馬を引く医者の卵、ゆうちゃん(緒形直人))

 

「ゆうちゃん、卒業したらどこ行くの?東京?札幌?」 

 

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お部屋でのラブシーンへの流れに蛍はやんわり拒否して、

「お手て憎んで、人を憎まず」

うまい!何という貞操観念だ!

こんな言い回し出来る娘、東京にいない!なんて賢い子だ!

 

帰りの電車乗る時にふざけ合った後の、どぎまぎ顔。えっ!?

(人間って、大事な人とか仲間とふざけ合ってるときでもふいに”自然”が刺すときがある。その人間の”真”が。真面目に生きてても、魔が差すことがある。)

倉本聰はそういった人間の真を避けずに、しっかりかましてくる。だから面白いんだ。人間はストーリーに沿って動く人形ではない。人生は予定調和じゃないものだから。

 

正吉「あのとき、俺、おじさんに育ててもらって息子だって思ってますから」 

 

 

一方、東京で純は。

札幌にいるレイちゃんと、土曜の同じ時簡に同じビデオを観ることにしていた。

ガソリンスタンドのバイト中にピザの配達をするトロ子(松田たま子=裕木奈江)と知り合っていた。舌ったらずでファンシイ。

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「渋谷の円山ってところにあるホテルなら、一緒にビデオが観られるってえ」

 

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そうして僕らは、ちょくちょくビデオ鑑賞会をひらく。

僕はたま子を愛してないのに、抱くことを望んだ。

レイちゃんのように愛していなかった。

僕は不純だった。

父さん、僕は不純です。

僕は汚れてしまった。

 

 

 

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五郎が、トロ子を妊娠させた件で東京に謝りにやってきた。

飛行機に乗るのが初めてで(熊さんに言われた通り)、飛行機の入り口で「すいません、下駄箱はどこですか?」と聞いてしまった。恥ずかしいのなんの、みたいな話を女孕ませた息子にして笑いをとる。

 

五郎は今回の件を問い詰めず、怒らない。

こういうとき、純はいつもツラいと言う。 

で、あまりにも有名なシーンへ。謝りに行った先の文太。

 

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たま子を預かるおじさんは文太。

文太が問う、

「誠意って何かね?」 

怖過ぎる。

 

 

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東京はもういい。私、卒業する。

純くんとのこと、楽しかった。

私、全然後悔してないから。 

と言い、ショップウィンドウ越しに別れを告げ、彼女は故郷の鹿児島に帰って行った。

 


五郎と純。蛍を待っている間のカフェで、

「くれた金だ。早くしまえ!」

 

 

 

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吹雪の中、木材に挟まれて死にそうになった五郎を助けた翌朝。

棟梁の金ちゃん(大地康雄)は、小屋まで言った純と蛍の前で、

「それは違うな。 運でもねえ。

 あいつは、自分で生きたんだ。」

 

 

五郎がひん死を負って助けられた翌朝。

父親を一人残すことに決心を鈍らされた蛍は「わたしやっぱり富良野に残る」というが純は返す。

男ってさ、同情されたって傷つくだけなんだよな。 

 

 

地方から都会に出てきた、全ての子供たち必聴の回です。