ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

「キャラクター活用の今」 -読売ADレポート2012年4・5月号

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男女差についてですが、広告でキャラクターを使っている場合、男性はまず左脳で考えます。「なぜこのキャラを使っているのか」「これは何の会社だ」と理屈っぽく受け止めるんですね。それに対して女性は「かわいい」「かっこいい」など感覚的な受け止め方をします。ですから、女性の場合は企業名や商品とキャラクターとの結びつきが若干弱い。女性をターゲットにする場合は、その点を注意した使い方が必要になってきます。(ADK 価値創造プランニング本部 野澤智行氏)

 

 

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キャラクターが、無機質な組織や商品に対して楽しさや面白さといった感性、精神性、物語性、ドラマ性を与えるメディアだからです。キャラクターはビジネスを人間化、エンターテインメント化する要素の一つと言えるかもしれません。

同志社大学 社会学部メディア学科 青木貞茂氏、以下)

 

今、問題になっているのが、「法人や地方自治体に顔がない」ことです。

 

ソフトバンクのお父さん犬というのは、私の解釈ではカフカの「変身」と同じです。それは重要な何かを表現するために変身しているのです。

 


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息子は歴史的に差別を受けてきた黒人に変身していますし、「お父さん」に至っては犬です。日本では犬は番犬です。

 

普通に人類学的に読み取ると、今の家族では男は少数民族、その中でも一番地位が低い存在が「お父さん」ということになります。

 

「家庭の中では可愛げがあって、威厳のあるお父さんでいてほしい」

 


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澤本さんは「家族愛」という非常に大切な価値観をこのCMではコミカルに表現していると思います。

 

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言葉で伝えるよことより、例えば、「つくるもの」「食べるもの」として表現したほうが、人の心に深く入る。そのことを彼はよくわかっていると思います。

 

 例えば、ガスと使う消費者のインサイトも、加熱がスピーディーにできる、料金がこれだけ安くなるというような「物理機能的価値」の次元もあれば、料理が楽しくなる、ゆとりができるといった「情緒的価値」のレベル。さらにはガスを使って料理を作ることが母親の愛のような「超越論的価値(みんなが共通に、普遍的に持っている価値)」を見出すことができる。

 

 だから、ブランドを物語にするためには、このキャラクターがどんな生きた感情、精神を持ってブランドを表現するのかまで考えなければいけない。