ここがパンチライン!(本とか映画、時々 新聞)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『東京物語(小津安二郎)』

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53年、松竹。「紀子」を演じる原節子になぞらえ、「紀子三部作」とか言われてるらしい。

 

 

 

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端的に言うと,原節子(紀子)ええ子やで〜」って映画

戦後、戦場で死んだ夫を偲びながら残された女たちは、バスバス男が出来たり、再婚したりしていく中で、そういう気になれない女たちも沢山いた。

 当時のこれ観てたおっさんとかも、「これぞ、古き佳きにっぽんの娘や〜」ってほこほこしていたに違いない。

 

あらすじは、両親が上京して来て子どもら尋ねる。でも子どもらはしっかり対応こそしてくれるものの、皆忙しい。ろくに構ってあげられない。東京観光もそこそこに国に帰った母親が危篤。亡くなって家族が集まるが、そこでの会話にかいま見る心情に、どっちが家族だかわかんないよ。そーゆう話。

 

おばあちゃん「おいで」

孫「嫌だよ」

 

(お出かけできずに)

孫「つまんねーやい」

 

「あんたお父さんたち、どっかに連れてってあげてよ。東京来て、まどどこも行ってないよ。一日2階にいたんじゃ気の毒だよ」

 

 

結局、紀子が義理の両親2人を連れてバスで都内観光に。

帰りに紀子の部屋に寄り、店屋物取って、一間のアパートで2人に食べてもらってるとき、うちわでゆっくりあおいだりしたげる。

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両親に、雰囲気がいいと噂の熱海の宿を都合してあげたものの、

夜中じゅう、若者が麻雀に音楽にばか騒ぎをして眠れない散々な熱海の宿。

「いやあ、こんなときは若い者が来るとこじゃ」

(↑ ※しかもこれをゆっくり言う。腹立ててる風でもなく)

 

 

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娘「あらもう帰ってらしたの?もっとゆっくりしてらっしゃれば良かったのに」

 

インサイト

人は、誰かの薦めに対して、なかなか悪くは言えないものだ。悪かったところ(本音)なんかなかなか言えない。

だから、善意のおしきせってこえーよなってこと。

 

 

しかし、子というのも、おらんはおらんで淋しいし、いたらいたで親を邪魔にするし。

 

 もうお父さん(笠さん)のこのひとことに尽きる。

 

 

 

同郷の仲間たちとの酒の席で、

「しかしまあ、あんたが一番幸せだ。お子さんみんな優秀で」みたいに言われて、そんなもんかなあ。でも幸せ感じないけどなあ みたいなことって戦後世代の父親に多いと思う。物質的な豊かさは達成したが、じゃあ人間はどうなったんだという本質的なところ。

 

インサイト

自分が感じている本当のリアリティを理解してくれる人なんかいないんだみたいな淋しさから、やがて人は諦めるだ。そして気づくのだ、死ぬ時は一人で死んでいくのだと。

 

 

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母は紀子に言う

「いい人がおったら気兼ねなくお嫁に行ってくださいね」

 

 

「あの子も、もっと優しい子だった」

「まあ、ええ方じゃろう。私ら、幸せな方じゃろう」

 

 

 

(”ハハキトク”の電報を受けて)

長女「やっぱり行かなきゃダメかしら?」

 

長女「喪服どうする?持ってく?持ってって役に立たなきゃこんないいことはないんですもん」

 

(母の供養後、精進落とし食いながら)

「〜の襦袢、あれ欲しいの。場所わかる?」

 

 

次女・きょう子「お母さんが亡くなったら、すぐお形見欲しいって、他人同士の方がもっとあったかいわ」

 

 

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「自分が育てた子供より、いわば他人のあんたの方がよっぽどワシらに良くしてくれた。ありがとう」

 

 

 

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