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ここがパンチライン!(本とか映画、そんでときどき新聞の)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『ダークナイト』

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08年、米英共作。クリストファー・ノーラン

 この作品への評価はそのまま、ジョーカーを演じたヒース・レジャーの演技とその迫真性への評価と言ってもいいかもしれない。この映画が好きだという誰もが言う「ジョーカーがすごかった」と。

 

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ジョーカーの狂気性、残虐性がむきだしになる。

それはこの世の価値や基準の破壊でもある。

アジトに集められた現金の山にガソリンをかけ、燃やす。

金が欲しいんじゃない。誰かの大事にしている価値(悪人さえも崇拝する価値)さえ欲しくはないんだ。そんなものは俺にはわからない(通用しない)んだ。

 

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悪は、人間の弱味にもつけこむ。

彼の犯罪や計画が予定通り実行されていくのも、警察内部の協力者がいるからだ。

そこには、金や弱味につけこまれた人間たちがいた。

疑いと裏切りが跋扈し、あらぬ憶測が正常さや健康的な思考を阻む。

 

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なかでも、トラウマ級の映像(通り越して面白いのは)はこのシーン。

いろんなものを爆破しているが、病院爆破はセンセーショナルだ。

リモコンで爆弾をコントロールしながら、ナース服のジョーカーがペタペタ歩いて建物から出て来る。破壊と非日常の滑稽さがないまぜになった名シーン。

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 悪の躍進に正義もひるむ。自警団的な正義はなりをひそめ、誰も証言台には立たないだろう。この世界の正義の象徴として存在していたピッカピカ地方検事ハービー・デント。

 

そして、正義も潮時。その役割を交代したがっているバットマンことブルース・ウェイン。ちょうどここに恋のあやももつれてくる(仕方ないやな 映画だもの。アメコミだ原作だもの)。

 

強力かつ絶対的な悪の出現に、街が(世界が)動揺しているように見える。

悪の世界になってしまうのではないかと、映画の世界の人間も観ている側も不安にさいなまれる。そう、我々の世界の悪はただ封じ込まれているに過ぎないのだ。

 

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さらに、悪は人間を試す。裏切りや疑いを期待する。

2つのフェリーの乗客にそれぞれ爆破スイッチを渡して、「助かりたければ、あっちのフェリーを沈めろ」とささやく(しかも一方には、潜在的な悪である囚人が乗り込んでいる)

 

 

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ブルースの、

「彼女は僕を選んだ」

という言葉に召使い爺のアルフレッドは彼女の手紙を隠す。

(彼もまた弱く、女の言葉にすがっていた。この世には、嘘や勘違いに支えられた人生もあるのだ)

 

 

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エンディングはデントの悪落ち。

光の消失によって、闇の暗さは深みを増してきたようだ。

それは計画だったのだ。

ジョーカーは死んだが、その計画は完遂されたのだ。

 

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必然、警察に追われる存在になるバットマン

エンドクレジット、沈黙の守護者 暗黒の騎士。

 

いまや悪と正義の二極論では世界は理解しえなくない世界だ。

こんなすげー終り方、やっぱりハリウッドじゃなきゃ出来ない。