『はっとする1行 出会いたい』井上荒野、角田光代、川上未映子(7月31日付 朝日新聞)』
三人の作家の「読んだ小説の魅力を逃さないために」。
さすが、みな第一線の作家。
言葉が有り体でなく、実感もちゃんとこもったものだ。
角田さんも学生時代の自分と重ねて「20歳くらいの頃は読んでいるものが限られているから、小説とはこんなものだと思ってしまうし、その中でしか作れない。そういう作品があると、もっと小説は広いですよ,惜しいなあ、と思います」。
川上さんは選考の際、自分の好き嫌いにはとらわれないよう心がけていると話した。「重視するのは、どんな言葉が使われて、どれくらい書くことに対して緊張しているか。思いみたいなものは一行に出ます」
角田さんは「シチュエーションでもテーマでも、はっとする瞬間を見逃さないように気をつけている」という。「そして、わからないものは人に委ねる。わたしのほうがその小説よりも小さい場合もあるから、わからないからマイナスじゃなく、選考会で皆さんに聞く」
井上さんは、「その人が、なぜその小説を書かなくてはいけなかったのかが伝わってくるもの」を評価すると話した。