『ブラックホークダウン』
92年、ソマリア。
30万人が餓死、国連による食料や物資が市民に渡らない。
激化する部族闘争は"飢餓"を武器にした(10万人の民間人が餓死)。
現地で最強部族を率いるアイディード将軍はPKOに宣戦布告。
米国は精鋭デルタフォースと陸軍レンジャー部隊を首都に投入。
任務は一つ、“アイディードの拉致”。
3週間の任務のはずだった。
米国は来るべきではなかった。
これは内戦だ。
戦場最前線の危機的状況で、連呼されるフレーズがタイトルになるほど、この映画の様相はヘリの墜落が象徴している。
◇ 対民兵との、市街地戦の難しさ
「早く負傷者を車輛に運ばないと」って云って、目の前に落ちている手首をポケットに詰める。
敵の武装したRPG(ソ連の対戦車グレネードランチャー)というランリャーが的確に使われる。
RPGをかわした揺れで地面に落下した新米兵士。
民兵百何十人が、堕ちたブラックホークで独り残る負傷兵に襲ってかかる。
圧倒的な敵人数が徐々に近づき、やがて取り囲まれ、目の前から四方から短銃で撃たれ、投石される(Best Scene/11:45〜 )。
アイディード将軍がいなくなれば、俺たちが武器を置くと思うか。
「何故他国の戦争を戦いに行く、英雄気取りなのか」
故郷に帰ればそう聞かれる。