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ここがパンチライン!(本とか映画、そんでときどき新聞の)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

論壇時評『世襲化と格差』小熊英二(10月27日付 朝日新聞)』

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政治家が劣化しているという、とTVの中で今日も誰かが言った。

やれやれまた言ってるよという印象の反面で、ほんとにそうだと思う。

 

私のような、物心ついたころは既に90年代も半ばという世代にとっても、(つまり時の政権が村山富市だったり橋下龍太郎だったり、という時代)、いまの政治家はなんだか人間的な年輪が足りていない。自らを貫く信念と、それを伝える言葉を持っていないように思える。

 高橋源一郎編集の論壇時評もそれなりに面白かったが(徹底して弱者やマイノリティに寄り添うという彼の“癖”も認めつつ)、小熊編集の切り口は面白い。流れの早い川の中に、手をつっこみながら明確なテーマをガシッと掴むグリップ力がある。

 

「日本の歴代首相の簡単な覚え方を教えよう。敗戦から1954年までの首相は元外交官だ。占領軍と交渉するのが首相の重要な仕事だったからだ。55年から80年代までの首相は元官僚か地方のボスで、自民党の黄金時代を築いた。90年代以降の首相は多くが2世か3世で、日本は長期低落している」

 以上は、私が外国で講義するとき、ときどき使う説明だ。

 

自民党員数は91年の547万人がピークで、2012年には73万人に減った。政権復帰後は議員にノルマを課して党員を集めているが、まだ100万人にも及ばないという。

---自民党衆議院議員の4割以上は当選2回以下でしかない。彼等は基盤が弱いので、党中央に逆らえない。連続当選できるのは、旧来の基盤が残っている地域の世襲議員になりやすい。こうして首相の世襲化はと二強状態が出現する。つまり首相の世襲化は、日本社会の変質の表れである。

 

教育においても格差の再生産(=世襲化)が目立つようになった。

 75年に比べて、国立大授業料は約15倍、私立は約5倍となった。