『知性の顛覆 日本人がバカになってしまう構造(橋本治)』
7/9付朝日新聞朝刊「著者に会いたい」での新作新書、著者インタビューで橋本治。
<「自分のアタマで考えたいことを考えるためにするのが勉強だ」ということが分かると、そこで初めて勉強が好きになった>
反知性主義を読み解いていくなかでたどり着いたのは「不機嫌」「ムカつく」という感情だ。ムカつく人たちに納得してもらう言説を生み出さないと<知性は顛覆したままで終わり>だと指摘した。
一方、「知性」と同居していたはずの「モラル」が失われていったとみる。
テーマは「父権性の顛覆」だ。
例えば、自民党と小池百合子小池百合子・東京都知事との関係を、「夫」と夫に反発した「妻」と読み解く。
「自民党は基本的にオヤジ政党だから父権性の権化。『それって嫌よね』という家庭内離婚みたいなもの」。小池氏の人気の背景には、「そうよね」という中高年女性たちの共感があるとみる。
この人の言葉には、個人的な葛藤と思考の後に獲得したような知性がある。
本というメディアは、そういうものと出会えるから(著者が出し惜しみしていなければ)魅力があるんだよねやっぱり。