『北の国から2002 “遺言”(後編)』
まあなんというか、完結編ということもありタイトルも五郎の「遺言」とあることから、過去を振り返るイメージですな。
手間返し といって、村のおっさん達が協力して家を建ててる。
純は草太兄の牧場を潰して、富良野におられんようになっていた。
五郎は、なぜか手間返しに巻き込まれていた 初対面のおっさんを家に泊めていた。
羅臼でトド採ってるおっさん(唐十郎)だ。今回の主人公ともいえるお騒がせのおっさん。
息子は短髪にした岸谷五朗。悪い過去がありそうだ。
「もう逃げんの嫌なんだよ」
(元ダンナと直談判で話をつけに行こうと奮い立った純に対して鉄砲を手に乗り込んだ結)
「鉄砲はマズイよ」
「結ちゃん、キレる人?......やっぱ鉄砲は車に置いていこ」
(結局、純が許しを請うてる間、ダンナに向けて銃を構える結)
結ちゃんが朝やってきたときの五郎のリアクション。
純たちが大人になった後に、ちょいちょい出て来るコメディシーンは、登場人物も観ている方も(われわれのことだ)、皆が歳をとってきた余裕か。歳をとった人間の、可愛いらしさとかおちゃめさとかだな。
トド撃ちに行って遭難したオヤジを迎え火で待つ、岸谷五朗と純。
「あの晩は、ほんとにぶったまげたぜ」
「お前に譲る」
元妻とつき合ってる男と、元妻を今の男に譲ったダンナが冬の羅臼の岸辺でかがり火焚いて話してるってシチュエーション。
人生には時として、こういう散文であっても設定の難しいシーンが、ままある。
これこそ宝よ、北の国からの。
皆が諦めかけた明け方、流氷の上を歩いて帰って来た。
♩遠き山に陽は落ちて〜
(子を連れて、正吉の元に行く蛍を見送る駅で)
僕はそのお父さんに、感動していた。
父さん、あなたは素敵です。
あなたのそういうみっともないところ。
昔の僕なら軽蔑していたでしょう。
でも、いまは人の目も気にせず、ただひたすら家族を愛すること。
思えば父さんのそういう生き方が、ぼくらをここまで育ててくれたんだと思います。
そのことに、いまようやくぼくらは気付きはじめてるんだと思います。
(長い語り、遺言の中で)
金なんか望むな。幸せだけを見ろ。
ここにはなんもないが自然だけはある。
自然はお前らを死なない程度には充分食わしてくれる。
自然から頂戴しろ。
そして謙虚に、つつましく生きろ。
それが父さんのお前らへの遺言だ。