『ドイツ 安定の理由(2017年9月20日付朝日新聞)』
彼女のライフスタイルはいたって質素です。
ぜいたくなシェフを雇うことなく、今でも自分でジャガイモのスープを作っている。お店に並んで買い物もする。思慮深さに加えて、こうした生活ぶりも私たちプロテスタントの価値観を反映し、人気につながっているように思います。
彼女が愛読する英国の哲学者カール・ポパーの考え方にあります。自由と民主主義をとても大切に考えていますが、その社会では、すべての価値観は相対化されうる。
どちらも「なぜ」「どうして」という意味ですが、ドイツ人が一番好きな単語じゃないかな。
たとえば遅刻。謝る謝らないかより、理由を説明できない方が怒られます。
理由を求めて、理解して、だからどうすると言えないとダメ。日本人からすると理屈っぽいんですが、なぜをあいまにすると責任がはっきりしないし、進歩しません。
メルケルさんが支持されるのは、政策の「なぜ」が分かりやすいからでは。