『このサイテーな世界の終わり』
サイコパスな少年の反骨少女かあ。
強がっていきがったことばかり言ってたティーン前半。
お互いをよく知らない男の子と女の子が、互いにブラフをかまし合いながら、物語とシーンが展開していく。何にも囚われまいとする彼女たちのやりとりは、キラキラした言葉たちでいっぱいだ。
設定も文句なしに馬鹿でイカレテル。ジャームズは人を殺したがっていた。この近寄ってきたアリッサとかいう女。殺してみようかな。だが、「僕は思った。焦ることはない」
「アリッサ。転校してきたばかり。殺してみたいと思った。好きなフリをした」
「ここって世界一退屈な街だね」
「健康のために週一でマスをかいてた」
「女のあそこ舐めたことある?」
「ああ、何度か」
「わたしのも舐めて欲しい」
「いま?」
「あした」
(ヒッチハイクしながら)
「誰も停めてくれない」
「上半身、裸だからでしょ」
「あんたって病院から出てきた人みたい」
(モーテルの受付のおばさんに)
「そ。ダブルベッド一つの部屋。セックスするから(ほんと、泣きたい気分)」
「死体は生きてるときより重い。本で読んだ」
「情報どうも」
「そしたら、写真を死体の周りに置いていこ」
→ なんだろー、この危機的状況で繰り出されるオフビートな会話劇のたまらなさは。
30分待って、アリッサは戻ってこないと気付いた。
→青春時代特有の孤独と寂しさは突然に。
「この日、静寂はうるさいと知った」
(アリッサの父に)
ジャームズ「じゃあ、あなたはなんでクズになったの」
アリッサ「ジャームズ、愛してる」
(エンディングでの台詞)僕は18歳になった。いまようやく分かった。人を思う気持ちが。