ここがパンチライン!(本とか映画、時々 新聞)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『サラバ!(西加奈子)』

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読んでから随分時間が経ってしまった。

読まず嫌いしてた西加奈子だったが、とてもいい書き手であることが分かった。

うれしい。

そんで、又吉たちが「西加奈子の小説を読んで、自由に書いていいんだ」と思ったみたいなくだりが分かったような気がする。

現代の小説に文法とかルールとかない。自由なんだ。

 

猟奇的な姉がいて、僕は可愛いくて比較的うまくやっていて、転校(イラン、東京、エジプト)があって、宗教があって、親の離婚があり、新進気鋭のアーティストがあり、太った恋人のセックスの音を電話で聞くことがあった。ほんとに、人生はいろんなことがある。

 

「出産はしんどいよ、そら覚悟してたよ。でも産道でずっと踏ん張るんやったら、なんで2週間も早く出てこようとしたんよ。嫌やったら、まだずっとそこにおったら良かったやんか」

 

母はきっと、男の人の前でぶりっ子した友人に、

「あんたいつもと違うやん」

そう、こともなげに言ってしまえるタイプなのだろう。

 

母が不倫をしている。

 

鴻上:でも、セックスした後は、みんな自分のことすごく話してくれるから楽しいんです。小さな頃のこととか、なんていうか壁がなくなる感じ?

 

「わたし、50人くらいの過去と悩み知ってますよ!」

 

「私、神社みたいでしょ!」 

 

姉、貴子は神出鬼没のアーティストとして、ちょっとした有名人になっていた。

 

「なんでも良かったんや。うちに来る人たちのためになるなら。」

 →宗教ってもともとこういうことだよね。

 

出来ることなら、今橋家の女たちと縁を切りたかった。

 

(それにしても女性というのは「向き合う」という言葉がどうしてこんなに好きなのだろうか)

 

 

ある日気がついたら、僕は30歳になっていた。

信じられなかった。

 

一度薄くなると、頭髪はどんどん後退した。

 

自分にこんな未来が待っているなんて、思ってもいなかった。

 

僕は、変わってしまった。

 

 

まがりなりにも自分の恋人である女性が、他の男と性交しているまさにその声を、最後まで聞いたのである。

 

澄江:「いつまでそうやってるつもりなの?」

 

あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。 

 

 

「ちょっとトイレ。」

精一杯の笑顔を作った。そしてトイレに向かっている短い通路の途中で、もう泣いていた。僕は自分が嫌いだった。大嫌いだった。

 

 

彼女もまた、村上春樹のメンタリティや嗜好性をそこはかとなく感じさせる作家の一人である。

 

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