ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『炎の牛肉教室!(山本謙治)』

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山本謙治。この人も闘っている。

問題視されることがなかった現状に批評性を持って取り組んでいる。

自分が正しいと感じたことのために。

やまけんの出張食い倒れ日記

 

 

和牛は「黒毛和種」、「褐毛和種」、「日本短角和種」、「無角和種」の4品種。

 

A5という格付けは美味しさの評価ではない。

 

 

A5やなんかも、88年に牛肉自由化のときに農水省発明した一つの指標にすぎない。

 

 

 

「サシ偏重」の世の中

 

サシが入るほど、旨味の少ない肉になる。

牛肉中の脂肪含有量が増加すれば食感は、やわらかくジューシーである。その反面、牛肉中の粗脂肪含量が50%前後まで増加すると、タンパク質含量が減少し、その結果として遊離アミノ酸含量が低下する可能性がある

 

肉を食べるとうま味を感じるが、これは肉の赤身部分を構成するタンパク質が酵素分解することで生じる遊離アミノ酸に由来するものである。 

 

人為的にサシを入れる技術が、餌に含まれるビタミンAを制限、つまり与えないようにする。「ビタミンコントロール」というよりも「ビタミン欠乏」と言ったほうがよい。

「最近の牛肉には味がない。ビタミンコントロールすることで、サシは入るかもしれないが、その一方で牛肉の味が落ちているのではないか?」

 

放牧するとどうしても赤身中心で、サシがそれほど入らない肉になってしまう。

 

牛肉のマーケットが美味しさよりも経済性の追求をしてきたからだ。

 

屠畜してすぐの牛の肉は、とても味気ないことが多い。

タンパク質の塊である肉は、命を失うと死後硬直し、冷蔵保管しておくと硬直が解け、熟成が始まる。生物が細胞内にもっている自己消化酵素がはたらくことによって、強固に結びついたタンパク質が分解されるのだ。

 

大型回遊魚であるマグロは、しばらく寝かせないと味も香りも出ない

 

ドライエイジングの場合、日本では45日前後の熟成期間をとることが普通である。湿度と温度をコントロールした冷蔵庫内で風をあて、肉を空気に触れさせた状態で熟成する。 

 

芝浦の市場に出荷された松坂牛が一頭200万円以上する

 

 

全国的に牛の価格が値上がりし、黒毛和牛の子牛が70万円以上もする今のなっては、

 

 

短角牛は、オスとメスがきちんと恋愛して子を宿す。牧野に放たれるメスの集団50頭くらいにつき、「種雄牛」と呼ばれるオスが1頭放たれる。メスが50頭いると、だいたい毎日1頭は発情期を迎える牛がいる。メスが発情すると、フェロモンをまきちらすのだが、オスはそれに敏感に反応し、種を付けるのだ。

 ・・・秋になって下牧するとき(里に下ろす)、オスの体重は入牧の時から50キロ以上も減っているという。

 

長く飼えば飼うほど、美味しい肉ができるのだ

 

去勢されると、オス牛特有の筋骨隆々の体躯に育つことはない。

 

 

屠畜したあと、死後硬直が解けてからゆっくりとタンパク質が分解し、うま味成分であるアミノ酸が生成される。

 

黒毛和牛のサシばかり評価される仕組みだと、あか牛を生産することは叶わなくなってしまう!

 

 

 

 

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土佐あかうしはかわいい

 

 

フランスでは未経産の牛の肉は、味も香りもなくて美味しくない、と現地の人は言う

 

一番美味いのは、お産を2回経験した短角牛だよ

 

 

 

 

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