ここがパンチライン!(本とか映画、時々 新聞)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『銃(中村文則)』

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『銃』を再読。

大学生の抱える退屈と狂気。何かとすぐセックスという男子大学生のメンタリティや、銃を持っていることの落ち着きと狂気。

 

クライマックスは電車の中で。ラスト2行は現代の狂気そのもの。そんな狂気にもリアリティがある(ような気がする)から不思議だ。

 

ここで描かれた狂気に向かう心情やメンタリティの、やや薄めた形であればわたしも持っている、そう思ってしまったのだ。(それってこの手の小説としてはものすごいことだ)

 

昨日、私は拳銃を拾った。あるいは盗んだのかもしれないが、私にはよくわからない。

 

雨はわたしの憂鬱さと象徴するよな降り続き、

 

 

私の周囲は退屈に満ちていたが、私は常に機嫌がよかった。

要するに、変化は私の中にあった。 

 

私はあえて、普通の人が普通にやることを、自分でしてみたいと思った。

 

 

銃を手にして、これまでの日常が日常でなくなる非日常の生成。

 

私にはその時、その後を同じように走って追いかけ、彼を殴り倒してみようという考えが浮かんだ。そうすればきっと、彼は驚くし、それを見ている連中も驚くだろうと思った。わたしはその光景を想像し、魅力を感じた。

 

 

私はそれからタクシーで女の住むマンションに行き、部屋の中に入った。女はかなり酔った様子だったが、本当はそんなに酔ってはいないのだろうと私は思った。

 

 

自分の右の指先から女の匂いがし、私は気分が悪くなった。

 

 

私は彼女のセリフが気に入り、それに満足した気分になった。

 

 

私は自分の顔を眺めながら、段々と笑いが込み上げてくるのを意識した。私は先走りしているのだと思った。そもそも、私はあの男を殺していなかった。 

 

私はこの間女と寝たばなりだったし、またあの面倒なことを繰り返すのかと思うと、うんざりした気分になった。これも拳銃を手に入れた効果なのだろうかとも考えたが、

 

 

こんな所で警官とは難しい、私はそういう何でもない言葉を、自分の表情の中に出そうとしていた。

 

 

警官と喋ったせいか、少し気分が高揚した。

 

 

彼女の男がクールな奴ならば私は聞き上手な男になる必要があったし、反対に甘えるような嫉妬深い奴ならば、わたしはクールになる必要があった。

 

 

私の鞄の中には、拳銃が入っていた。

 

誰かに盗まれるようなことがあれば、それは私の破滅を意味するように思えた。

 

御飯を食べるかと聞かれたので、私はいらないと答えた。別に食べてもよかったのだが、ただセックスをする為だけに行くというのをしてみようと思った。

 

 

 

 

 

 

 

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