ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『古典百名山 ジャン=ポール・サルトル』

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サルトルは、「神の不在」を率直に全面的に引き受けた最初の(西洋の)思想家だったからではないか。彼は、「王様は裸だ」と叫んだ少年だ。〜〜〜。しかし、サルトルは「神はいない」と叫び、そこから出発した。

 

 するとどうなるか。人間には、神から与えられた目的も意味もない。だから人間は自由だ。いや自由であるほかない(「自由の刑に処せられている」)。ここから、『存在と無』の最も重要な命題、対自在性(意識をもった存在、つまり人間)は「それがあるところのものではなく、あらぬところのものである」が出てくる。

 

 私は定まった意味や同一性もなくまず存在しており、自由な選択を通じて、未だあらぬ何者かになるほかない。「実存は本質に先立つ」(『実存主義とは何か』)も同義である。

 

 アンガジュマン(政治参加)という考えもここから導かれる。私たちは皆状況に巻き込まれているわけだが、それは、「状況を受け入れた」ということをも含めて、私たちの自由な選択の所産である。とすれば私たちは状況に責任があり、それに積極的に関与することができるし、すべきだ。