ここがパンチライン!(本とか映画、時々 新聞)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『八百長 -相撲協会一刀両断-(元大鳴門親方)』

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出版直前に著者、証言者の二人が同じ日に同じ病名(レジオネラ菌による「在郷軍人病」)で急逝するという、相撲興行の闇を描く出版本。
*ウィルス感染症。数日間の潜伏期間の後、呼吸困難を引き起こし肺を蝕む

 

高鉄孝之進(部屋の弟弟子)、橋本成一(北の富士の名古屋後援会副会長)

北の富士は、元横綱NHK現相撲解説者。初日や中日でテレビ中継の解説として出演している。近所のおじちゃんのような、自由な物言いでファンも多いと思う。(横綱へはその勝ち方をも注文し、日本人大関へは「だらしない」と云うのが口癖になっている)

主に、横綱北の富士八百長を中心に、相撲協会全体の八百長体質を告発する内容だ。


・「北の富士を男にしてやりたい」という一心で、暗躍していた橋本氏と高鉄山

・高鉄山は兄弟子のために”注射(=星の売り買い)”に走った。支度部屋のトイレで、部屋で、女を分かち合った部屋で

北の湖(現協会理事長)でさえ、注射に手を染める。ただ北の湖は、買うより売るのが好きだったという。

・昭和47年に協会内に出来た「監察委員会」とて、八百長常習者ばかりで監察機能はゼロであったという

横綱大関に星を売れば50万、60万。

・場所中だというのに向島の料亭で芸者と一晩中遊び、あてがわれた女性数人とホテルのスイートで乱交パーティなど毎度のこと。ハワイ巡業まで追っかけてきたギャルをはらませ生まれたことも(その女のとの手切れ金500万)

・幕内力士(若衆)には、土俵維持費や養成費という名目で一人20万円が部屋に支給される

・化粧回し100万、しめ込み40万、紋付袴2着で100万円

相撲協会には元税務署長が天下りしているため、各部屋への税務調査はない

・「年寄り株」の数は105で一定。相場もつり上がるため一門から出してはいけないという不文律がある。3億が相場。

国民栄誉賞受賞横綱も、注射で塗固められていたらしい

・もちろん当時もガチンコ力士はいた

 

今と昔とでは状況がまったく違う。

報道面でも、衆人監視的側面でも、ここまで表立った八百長が横行するのは難しいはずだ。

ここで問われているのは、当時の一般社会からかけ離れた相撲界の実態の告発と反省。

当時の、利害関係者の現在の立場と責任だ。


現在の相撲界には”注射”が根絶されたのだとすると、現役力士からすれば、そんな世界に生きた先達(親方衆や協会幹部)など尊敬もできなければ、軽蔑する対象だというのは無理もない話だろう。

 

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