ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『空気の研究(山本七平)』

「それは簡単なことでしょう。まず、日本の美徳は差別の道徳である、という現実の説明からすればよいと思います」 私は簡単な実例をあげた。それは、三菱重工爆破事件のときの、ある外紙特派員の記事である。それによると、道路に重傷者が倒れていても、人々…

『蹴飛ばせ、幕引きパターン(朝日新聞編集委員 高橋純子)』

毎回楽しみにしている、朝日新聞 高橋純子さんの政治断簡。 切り口、切れ味、横道と脇道、嫌悪と皮肉がないまぜになって政権を批判する。 権力や権威に対する批評性と、その志と高い見識からくる教養を感じる。 朝日新聞にはこういう人がいるから(記事があ…

『西部邁さんを悼む -絶えず問うた 生への覚悟-(佐伯啓思)』

佐伯啓思 西部さんが絶えず問いかけたのは生への覚悟であった。お前は何を信条にして生きているのか、それを実践しているのか、という問いかけであった。 その意味で、彼ほど、権力や権威や評判におもねることを嫌った人を私は知らない。 あらゆる社交の場に…

『武器としてのITスキル』

問題解決において、「Where - Why - How 」の手順を適切に踏むことはコンサルタントやマネジャーの腕の見せ所であり、論理思考力に加えてセンスや経験が求められる箇所。人間の付加価値は課題設定にあり。 では、AIが真似できない人間のクリエイティビティ…

『論壇時評(小熊英二)』

2018年4月26日「透明な人事へ 審査期間を」(政治と官僚) 自民党が安定していた時代には、政治家は性急な無理強いをせずともゆっくり要求を実現させる「熟柿戦術」をすればよかった。また、官僚たちも、既成を口実に断ったり、「盥回し」にしてやり過ごして…