「火口のふたり(2019)」
主演、瀧内久美、柄本佑。というかこの二人しか出てない。
名前の売れてる柄本佑の方が、演技と存在感で瀧内久美に文字通り食われてた。
もう、瀧内久美の役が良かったとか裸が良かったみたいなことすっとばして、この役者さんのこと好きになった。素晴らしかった。
男が女の性に魅せられて喰われる、という内容。
同郷で10代から仲の良かった男女が、女の結婚式のために帰省したのをきっかけに、セックスに走るという筋書きだが、安くない。その探求心と没入がまっすぐでまことに人間的で愛おしい。
若い頃に特定の異性とのセックスに狂ったことがある人間にとっては、
なんとも愛しく懐かしい感興のある映画だろう。
「もうけんちゃんの身体からは逃げようと思って」
「いつか別れなくちゃならないと思ってた」
もうさかりのついた猿のように、やりたくなっちゃう潔さ。
「俺セックスがこんなに気持ちいものなんだって、忘れてたよ」だってさ。
ここはほんといいシーンだだと思う。
映画って、人間のこういうところを画に収めるべきなんだとさえ思う。
『直子、中に出してもいい?』
ってのがエンディングのラストワード。最高だよ、これ。