ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『パッチギ!』

2004年、井筒和幸監督。 日本では差別され、肩身の狭い思いをしている(朝鮮人)側の、 それでもヘコまされないたくましさとか、健気さとか、力強い魅力を描く。 もはや日本人が失ったかもしれない、男の熱さ。 健気ながらたくましく生きる、美しい女子。 役…

『金融腐食列島 呪縛』

97年。原田眞人監督(「ラストサムライ」「日本の一番長い日」)。 原作 高杉良。 後の半沢直樹シリーズにも継承されうるような、 中年ミドルの金融業界痛快勧善懲悪劇。 朝日中央銀行は日比谷公園の東側にあった。 本店企画部の中年ミドルたちが、銀行ト…

『宇宙を織りなすもの(上) ブライアン・グリーン』

喫煙所でタバコ吸ってたら関連会社の兄ちゃんが、この分厚い本読んでた。 文学ばっかりやってる俺たちも、全然気にならないわけじゃない。 宇宙について。 難しい計算やモデルの解説ぬきで、宇宙や量子について分かりやすくアプローチする。 著者の態度は生…

『宴のあと(三島由紀夫)』

1960年、実在の人物をモデルにした小説とされる。 発表後、訴えられる。 初の「プライバシー権」対「表現の自由」の対決だった。 福沢かづ。雪後庵。野口雄賢。永山元亀。選挙参謀山崎。佐伯首相。奉加帳。 (畔上輝井。般若苑。有田八郎。1959年都知事選。…

『ゴーンガール』

2014年。監督:デビット・フィンチャー 原作:ギリアム・フリン ベン・アフレック。オザムンド・パイク。 一回目は劇場で、二回目ネットフリックスで。 ストーリーの骨子だけ見つめると、なんてことはないただの“結婚生活の終焉と破局模様”でしかないのだが…

『ナニワ金融道 2巻(青木雄二)』

ここだけ憶えてれば話のネタになる! ナニワ金融道名シーン10選! 名シーン① 1)キケン運輸の赤名久吉が帝国金融にトラック購入資金に400万つまみたいと 2)400万円の借金で(金利が1年8ヶ月、560万円)の保証人にのれん分けした23歳の若者 背口くん 3)…

『若者の与党びいき』(9月30日付 朝日新聞)

『記憶あるのは自民ばかり』(平野宏学・習院大学法学部教授) 今年7月の参院選では、朝日新聞の出口調査で、比例区での自民への投票率は18、19歳は40%、20代は43%に達し、20代は他のどの世代よりも高くなりました。 彼らが10代の時に民主党政権…

「女性が奪われていたものは、実は『時間』ではなく『尊厳』だったのではないか」(10月27日付 朝日新聞)

この日のオピニオン面は、実り多いわ〜。 メディア(報道)がいかに、事態を定型的な判断と切り口で考えているか。それを無批判、無思考な人たちが垂れ流してしまうか。これはさきの大統領選でも同じことが言えるね。メディアや報道に携わる者たちでさえも、…

論壇時評『世襲化と格差』小熊英二(10月27日付 朝日新聞)』

政治家が劣化しているという、とTVの中で今日も誰かが言った。 やれやれまた言ってるよという印象の反面で、ほんとにそうだと思う。 私のような、物心ついたころは既に90年代も半ばという世代にとっても、(つまり時の政権が村山富市だったり橋下龍太郎だ…

『体制内で見た文革』王輝氏・天津社会科学院名誉院長(10月20日付 朝日新聞)』

【用語解説】..by朝日新聞 「文化大革命」:経済政策の失敗などを受け、毛沢東が1966年、階級闘争の継続などを呼びかけて発動した政治運動。共産党の官僚化や特権化に対する市民の不満を刺激し、紅衛兵や造反労働者らが組織され、各地で政府機関などが襲撃さ…

『海を感じる時(2014)』

余白が多い日本映画。 土曜朝に読書しながら、視聴する。 パンチな科白のオンパレードだった。 気持ちいいくらい、身体目当ての男。 しかも、シリアスに“女の身体に興味がある”のだと。 女は男に惚れていた。身体で繋ぎ止めるしか、迫るしかない女のギリギリ…

『断影 大杉栄(竹中労)』

ボルシェビキよりも、アナーキズムだ。 (アナボル論争みたいなもんでね」と言ったら、労働者を中央の統制に従う組織にしようとしたボル派と、地方の個々の団体が主体性を保ったまま自由意志で連合すればよいと考えたアナルコ派) こんなに面白いルポは初め…