ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『文章讀本(谷崎潤一郎)』

(駿河台下の角、古い雑居ビル) 口語文といえども、文章の音楽的効果と視覚効果とを全然無視してよいはずはありません。 大人は小児ほど無心になれないなれないものですから、とかく何事にも理窟を云う、地道に練習しようとしないで、理論で早く覚えようと…

『巨怪伝 〜正力松太郎と影武者たちの一世紀〜(上)』

59年6月25日に行われた、天覧試合の回想からはじまる。 天覧試合は全生涯を賭けた最後の夢。 遡る三十六年前の大正十二年、警視庁警務部長だった勝利機が、テロリストによる摂政宮の狙撃、いわゆる虎ノ門事件の警護責任をとって免官に追い込まれていた。 正…