ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『細雪(下)』

幸子の心情描写が多い巻。 姉妹の何気ない会話が醍醐味だろう。 女とは、仕事もせずに家にいると、細かいところまで言葉を交わしているのか、と感心するほどである。 ちなみに、作中トピック箇条書きという野暮なことをするとすると、 ◆ 帝国ホテルにアメリ…

『細雪(中)』

こいさん(末の妹 妙子)をメインにした巻ですね。 奥畑の啓坊の花柳界遊びの噂。妙子洋行の目論み。 大水で九死に一生。英雄板倉の妙子救出。 啓坊への不信と板倉への気持ち。 男の入院、脱疽、死。 と要点書き出すと、なんのことはないつまらなさですが。 …

『異論のススメ(朝日新聞 2017年2月3日付)』

佐伯啓思。ここ数年、この人の言ってることは一環している。 グローバリズムの速度を落とせ、保護主義もバランス良く取られい。そんなこと。 なにせ、先日のスイスでのダボス会議では、あろうことか、中国の習近平主席が、自由貿易とグローバリズムを守らね…

『フラニーとズーイ』

村上春樹訳。 フラニー編がすごい好きだ。 世の中の、自分の回りの何もかもがクソばっかに思えて、気に入らないときってのは確かにある。 それは、彼氏や恋人であっても、当然その例外じゃない(何なら、恋人なんて分かり合えない存在の最たるモンだ) ここ…

『細雪(上)』

谷崎である。細雪である。 この歳になって、日本の小説、否、近代文学の素晴らしさがよく分かるようになってきた。日常や生活に垣間みる、心情と風雅の機微(言語化)。 新しいものではなく、古くて今でも残っているものを繰り返し読むべきだ、そう思うよう…