ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「令和日本の敗戦 (田崎 基・2020年4月)」

田崎基氏。神奈川新聞記者。78年生まれ。 「敗戦」というワードだけど、白井聡さんを連想する人間は彼の著作をよく読んでいる証拠だろう。案の定、本書にも白井聡氏が巻末寄稿している。 問題意識のある人の著作は、目次ページの見出しを追うだけで、 この…

「三四郎(夏目漱石)」

忘れてた、今年は個人的な夏目漱石イヤーなんだった。 ウブでいけず、田舎者で意気地なしな若者の、ビターな上京学生譚。 熊本の田舎から東京に出てきて、新しい世界に触れる。 出会うもの凡てにこれまで自分がみてきたものと、いまの自分が目の前にして言語…

「カールシュミット「政治的なるものの概念」(大澤真幸)」(2020年7月4日 朝日新聞)

シュミットによれば、政治の最も重要な任務は誰が友で誰が敵かを決断することにある。 近代性とは、誰もが受け入れる普遍的な価値や善は存在しない、ということだ。 では近代の条件のもとで、政治はどうすべきなのか。暴力的とも見える仕方で秩序を押し付け…

「二枚腰のすすめ(鷲田清一)」(2020年7月4日 朝日新聞 書評面)

鷲田清一さん。 わたしの尊敬する先達であり、哲学者。 その著作を、横尾忠則が書評しているんだから贅沢ってなもんだ。 いつか話をするのが夢だ。 哲学者は答えず 相談に「乗る」 「後悔するのがいやなら、選択するのをやめることです」「何でも他人に選択…

コロナ後の男と女「日本で家族解体がなぜ進むのか」(週刊文春 2020年7月2日号)

週刊文春のコラム、執筆は「女と男 なぜわかりあえないのか」の著者で元編集者・作家の橘玲(たちばな・あきら)氏。 女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書) 作者:橘 玲 発売日: 2020/06/19 メディア: Kindle版 日本は「近代のふりをした全近代的な身分…

「福岡伸一の動的平衡 ーウイルスという存在ー」(2020年4月3日 朝日新聞)

生命を、絶えず自らを壊しつつ、常に作り替えて、あやうい一回性のバランスの上にたつ動的なシステムである =動的平衡の生命観 ウイルス表面のタンパク質と宿主タンパク質とにはもともと友達関係があったとも解釈できる。さらに細胞膜に存在する宿主のタン…

「バイス!(2018年、アダム・マッケイ監督)」

米副大統領 ディック・チェイニーの伝記映画。 毎度のことながらクリスチャン・ベイルの役作りとコミットメントすごい。 この人が、「アメリカンサイコ」のベイトマンであり、「ターミネーター4」のジョン・コナーであり、「バットマンシリーズ」のブルース…

「ぐるりのこと(20108年、橋口亮輔監督)」

木村多江、リリーフランキーが夫婦役。 木村多江が、すこぶる美しい。 すっと鼻筋が通った、古来日本人らしい美しさ。 このとき37歳。 石川佳純にも共通するカテゴリの美人。 流行や俗物に浮かされない、自分を持ってる女性の魅力。 前に下北沢で知り合っ…