ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

エッセイ 

『愛と幻想のレスポール(スガシカオ)』

音楽雑誌のインタビュー記事を編集しなおしたものか。 ともかく、こういう潔い人間には憧れる。共感もする。 まさに、スガシカオの実像に触れた感触があった。 音楽はたいへんよいと思っていたが、そのミュージシャンがどういう人間性を持ち、どういう風に生…

『子どもが生まれても妻を憎まずにすむ方法』

画像はここでの話とは無関係 標題は、アメリカ輸入本のパクリ題だ。 アメリカってやつあ、いつだって資本主義的事象をあるいはその経済システムがもたらす人間社会の個別的現象を先取りしてやがる。 きっとこれだって、半年くらい遅れて日本でもぱーっとSNS…

『女たちよ!(伊丹十三)』

アイルランドとイングランドとの関係は、朝鮮とわが国の関係に似たところだある。 アイルランドは非圧迫民族である。 オスカーワイルド、バーナードショー、いずれもアイルランド人。 たとえば水戸光圀公は、塩鮭の皮が好きで好きでたまらない。 ときどき積…

『もものかんづめ(さくらももこ)』

ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこのエッセイのセンス。ワーディングの絶妙さ。視線のシニカルさやユニークな文章には定評がある。 「健康食品三昧」 ケーキ屋の試食品をばくばく食べている女がいる。それが正午の人であった。 彼女は花柄のブラウスにパ…

『すーちゃん(益田ミリ)』

女の子とのなんとなく思うこと、感じたこと、しちゃったこと。 を言葉にしている漫画(というよりエッセイ)だな。 こういうことを最近仲良くしているコピーライターの子とかと酒飲みながら話したい。 「一冊読み終えたあとなんとなく.表紙をながめます いい…

『すべての男は消耗品である(村上龍)』

誰かの批評本で、村上龍の著作で読むならこれ、みたいなスタンスで書いてあった。 「限りなく透明にちかいブルー」の発表前タイトルである「クリトリスにバターを」よろしく、このひとはコピーライティング的センスがあるようだ。 タイトルからして、ほとん…

『天才の理由を探ろう』堀越千秋@2015年1月18日付 朝日新聞GLOBE

スペインになぜ、こんなにたくさん天才がいるんだろう? ピカソ、ダリ、ミロに始まって、ゴヤ、ベラスケス、ムリーリョ、スルバラン… 〜みんなそれぞれに奔放で、天才であった。 商店主たちは実によく釣り銭を少なくよこしたが、指摘すると反論もせずに返し…

『わからなくなってきました(宮沢章夫)』

秋葉原に行って気がついたことだが、この町はあきらかに、渋谷ではない。 「病人は演技する」 病気を患う。まわりから、「お大事に」などと励まされ、心配や同情などされると、「俺は病気なんだ。ちゃんと、病人らしくしなきゃまずいんだ」と奇妙な意識に捉…