ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『はじめての保守 -9月27日朝日新聞』

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保守主義の父こと英国の政治思想家 エドマンド・バーク

「物事をこれまでとは正反対にするというのも、安直さにかけては、すべてをぶち壊すのといい勝負である。前例のないことを試すのは、じつは気楽なのだ」

 

 

 

「明治”維新”は王政”復古”を伴った。前近代に起源を持つ階層を維持する意味で保守なのに、後発国として国家主導の下に近代化改革を進めた。いわば”革新性を内包する保守”が生まれた」。国の役割も日本は独特という。英国の保守は個人の思想信条や経済活動などは、宗教や市場に任せろという考えなのですが、日本の保守は戦後に至っても、国家が個人を主導する考えが残っています」

 

個人に重きを置く保守思想の持ち主に福田恆存がいる。〜・〜。

「福田はまず、いまの自分を構成しているのは何かを考えた。それは自然や言葉や歴史でした。これを壊そうとする革新を批判する一方、過去を理想化する復古も嫌った。自らの立脚点がどこかを考え抜かないと道は開かれないという思想が保守なんです」

 

 

「保守派はその態度によって人を納得させるべきであって、イデオロギーによって承服させるべきではない」

 

 

中島岳志曰く、「人間の理性が世界を作り出せる、とは考えない。不完全な人間は、過去に依拠しながら、微調整を繰り返すしかない」と考えた人なんです。

 

 

私の周りにも、対中韓で強硬な現政権の報道に「いいネ!」しちゃう人が結構いる。

適当な大学のゼミで、史実に触れたのか、自分の気分や心境を補強するのには成功したのかもしれない。しかしそこに現代の人間が歴史を仰ぎ見るときの正しい姿勢まで学ぶことが出来たのか。

 国家や政府の判断レベルにまで自分の意見を措定し、あたかも司令官のように政治の外交のよしあしを語る。しかし、そこにその人間個人の立場で出来ることや態度は含まれているだろうか。もう少し、で自分ならどうするか。どう行動すべきか、という視座で臨みたいもんです。