ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

論壇時評「充実を支持する層は」_小熊英二

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福祉の充実が、貧しい人に支持されていない。嘘のようだが本当の話だ。

 

大沢によれば「日本の税・社会保障制度はOECD諸国の中でも最も累進度低」い。とくに社会保険料は、低所得の人ほど相対的に負担が重い。

 

純粋に政府からの所得移転だけをみても、日本は一番豊かな上位二〇%のほうが一番貧しい二〇%よりも多く移転されている」。つまり今の制度は、豊かな層の方が得るものが多く、「低所得層は、負担は相対的に重く、受け取るものは相対的に貧弱」だ

 

その前提は、欧米がそうであるように、低所得層は福祉充実をうたう政党を支持するはずという認識だ。だが西澤は、日本の有権者の意識は「経済学者・政治学者が想定する『前提』とは真逆」だというのだ。