【突破する力 朝日新聞GLOBE】気仙沼ニッティング 御手洗端子
フィッシャーマンズセーターとして、新たな産業を生んだ。
学校で先生に「将来は何ないなりたいのか」と聞かれ、答えられなかった。家に帰って言うと、母親の照子はこう諭した。「何にたりたいかより、どう生きたいかでしょう」
マッキンゼーを選んだのは「大きな仕事をするための力をつけたい。そのために、ビジネスの世界を知った方がいい」という気持ちからだ。
糸井は御手洗を「分からないことをそのままにせず、理解したいという気持ちがすごい」と評する。
「思ったことをはっきり言うので付き合いやすい。現場で一つひとつをよく見て動く。大きな視点で物事を見る。この両方がある」という。「気仙沼だけでなく、たくさんの地方で問題を解決する種を、彼女は持っていると思う」
御手洗はきっぱり答えた。「私が去ってもずっと栄えるようになるまで会社を育てなくてはいけない。会社にとって一番よい判断をするためには、個人の『次』を考えるべきでない」