ここがパンチライン!(本とか映画、時々 新聞)

いま、物語で大事なのはあらすじではない。そこで語られている言葉とリアリティだっ!!ということで、卑怯で弱い人間を愛したい。人間の野蛮さ、愚劣さから目を背けたりしたくない。おのれ自身の端緒(根っこ)が絶えず更新されてゆくそんな経験をする、そのための記録。大江健三郎と吉田修一と。三島と太宰と。村上春樹と中村文則、小島信夫と舞城王太郎。カズオイシグロにミシェル・ウェルベック。カーヴァーとチャンドラー、ブコウスキーにキューブリック。コッポラにデビット・フィンチャー。ウディ・アレンもケヴィンスペイシーも。談志だって

『ロスト・イン・トランスレーション』

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 03年、ソフィア・コッポラ監督。

 

カラフルな下着の女性寝姿バック(スカーレット・ヨハンソン)から始まるオープンショット。

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200万ドルのギャラで日本までCM撮影にやってきたハリウッドスター ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)。

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CMディレクターからは「もっと古い友達と向き合うように、カサブランカの〜〜のように、こうサントリータイム」っていう指示に通訳は「こうゆっくり振り向いてください」としか訳さない。

「それだけ?」

「もっと言ってた気が。。」

 

こっちの人は伝えてくれないし、伝える意志もない?都市が、社会が、ルームランナーみたいな機械でさえも。色々伝わらない。

そこがおかしいし面白い。宇宙にでもきたかのような外国人の気分を描いている。


この国の文化と国民の、わからなさ、伝わらなさみたいなものにどう付き合うか。

旅はしばしば旅情というなの孤独を連れてくるものだけれど、そこに同じく孤独を感じている同じ文化の人間がいたらどうなるか?さらに幾分かプライベートでも空虚感を感じていたら。

 

新宿はパークハイアットを舞台に、米国人の東京とのディスコミュニケーション、ゆえにすこしづついらついていいて、少し孤独や寂寥感。同時にエキゾチックで刺激的な滞在を描く。人生にやや迷ってる二人が、東京で迷っちゃうって感じの映画。

 

 

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バーで出会ったときの会話

「専攻は?」

「哲学」

「そいつはもうかりそうだ」

 

 

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病院でシャーロットを待ってるときに、ハリスと日本のばあさんとの会話。

 

 

「行き詰まってるの。歳とともによくなるかな」

「No,....いや良くなるよ」

 

 

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ベッドに二人で横になって、日本酒飲みながら映画を観た後、二人でベッドに横になって天井を仰ぐ。

「わたし、いじわるなの」

「いいさ」

 

 

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ハイアットのしゃぶしゃぶ屋。

メニューを見ても、どれも同じ肉に見える。

店員は肉をテーブルに置くと、説明もなく去ってしまう。

「今日のランチは最悪だったよ。自分で料理する店なんてさ」



エンディングは、ちゃんとお別れが出来なかったことがひっかかっていたハリスが、タクシーの中からシャーロットの後ろ姿を見つけて出て行く。

ハグして何かをささやいて別れる。何か勇気づける言葉を。

現実的な明るさが提示されて、いいエンディングだった。

 

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