ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

取り替え子 -チェンジリング-(大江健三郎)

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亡き義兄、伊丹十三をモデルに。

 

田亀での、吾郎との会話。

 cf.千樫はそこまでを区切りに、田亀をとめた。

兵隊ベッド...

 

これは受け身の事故ではなく、自分の積極的な表現行為が引き出したものであって、このように、またこれからもヤクザと闘い続けることによって、表現行為を全体化する

 

 

第三章 テロルと通風

 左足は骨のある場所に燠を埋めたようで、その上を豚足のゼラチン質のような厚く腫れた皮膚が覆い、血流の流れにあわせて痛みの呼吸を起こしていた。

(テロリストたちがやってきては手足を抑え、靴下をはぎとり、足の小指めがけて砲丸を投げつける)

 

そしてその直感は、襲撃した男たちを古義人がいったん懐かしみさえした、ということと繋がっている。

 

若い芸術家たちにとってポジティブな励ましだ

 

 

千樫はそれほど傲慢でもないけれど、日本の女の平均的なつつましさからは確信をこめてはみ出す人格だ。

 

 

一時間、二時間、キスだけで、頭も身体全体も欲望に熱くなっている。きみの言い方でなら、自分の性が久しぶりに「活性化」している!娘の、半ば開いた唇の左端に指を入れる。唾に濡れて輝く歯が、指を咬む。その間にも、唇の右端からキスしている。こちらも唇を半ば開いて、下を動かして。ところが急に頭をのけぞらせてね、運動していたように紅潮した顔で、娘がいう。笑いながら・・・

ーこれはダメ、色気がありすぎる!

 

 

それからは、陰毛のへりにふれることがルーティンになる。いったん克ちとった陣地は、奪い返されないから。しかし、さらに下方へ進む指は決して許されない。こちらを傷つけぬ、明快な優しさの拒否。地形を測量するように、範囲が確定されている。

 

 

キスをするだけのことが、なぜこれだけ豊かで、複雑で、自分としては使いたくない言葉だけれども、奥が深いと感じられるんだろう?

 

あなたとセックスはできないと知っているから、キスがどこまでものぼりつめてゆくんです。

 

 

 

 

 

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