ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『掏摸(中村文則)』

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財布はポストに入れれば、郵便局から警察に行き、免許証の住所に戻る。指紋を拭き取り、ポケットにしまった。ホストは薬でつかまりかもしれないが、それは自分に関係したことではなかった。

 

 

この金は昨日の痴漢から取ったものだが、その前の所有者は不明だった。この金はそれぞれの人生の瞬間を、見ているのだと思った。

 

 

時間には、濃淡があるだろ?ギャンブルとか、まあ投資詐欺が成立する緊張もそうだよ。…法を超える瞬間、ヤクザの女とか、やったらやばい女と寝る瞬間とかさ・・・、意識が活性化されて、染み込んでくるし、たまらなくなる。

 

 

惨めさの中で、世界を笑った連中だ

 

女をベッドに倒しながら、佐江子のことを考えていた。

 

 

貴族はその少年を見ながら、こいつの人生を、自分が完全に規定してやろうとした。

 

 

僕は、子どもという存在に何かを言う生き方を、していなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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