「ぐるりのこと(20108年、橋口亮輔監督)」
木村多江が、すこぶる美しい。
すっと鼻筋が通った、古来日本人らしい美しさ。
このとき37歳。
石川佳純にも共通するカテゴリの美人。
流行や俗物に浮かされない、自分を持ってる女性の魅力。
前に下北沢で知り合った仲のよい女性編集者を思い出す。
幼女殺して食べた異常犯罪の被告役・加瀬亮の雰囲気がすごい。
「食べた!」
まさに和製エドワート・ノートン(言ってるの俺だけだけど)の本領発揮。
キッチンの人を敵に回さないように気をつけよう。。
「私が死んだら泣く?残念?」
→妻は、いつもへらっとしている夫が肝心の感情を出さないことに不満(不安)を抱いていた。感情を見せて欲しい。一緒に泣いたり、怒ったりしてほしい。
つまり、いつも隣にいて、一緒にいても(会話があり、冗談を言い合っていても)人間は何を考えているのかはわからないということなのだ。
家の中に出た蜘蛛を殺すのを嫌がる妻
妻が塞ぎ込む重く、苦しい年月の描写。
やがて、描くことが癒しに、救済になっていく。
風呂場で妻が、リリーのチンポを握るシーンがいい。
夫婦仲睦まじく、温かい。
深い悲しみ明け暮れた後、絵を描くことで自己治癒し、
日常に戻る女性のカタルシスと寄り添う男の甲斐性。
原作が小説だからか、深い洞察がある。