ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『論壇時評(小熊英二)』

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2018年4月26日「透明な人事へ 審査期間を」(政治と官僚)

自民党が安定していた時代には、政治家は性急な無理強いをせずともゆっくり要求を実現させる「熟柿戦術」をすればよかった。また、官僚たちも、既成を口実に断ったり、「盥回し」にしてやり過ごしていた。だが政権喪失を経験した自民党は、そんな「大人の構え」を失った。

 

「政治主導」を掲げた改革で2014年に内閣人事局ができ、内閣が官庁幹部600人の人事を左右出来るようになった。

 

 


2018年5月31日 「安くておいしい国」の限界(観光客と留学生)

観光客からみれば、日本は「安くておいしい国」になったのだ。

 

「安くておいしい店」は、千客万来で忙しいだろうが、利益や賃金はあまり上がらない。観光客や消費者には天国かもしれないが、労働者にとっては地獄だろう。

「日本には、20代、30代で高度な知識・能力を有する若者が、高賃金で働く職場が少ない。稼げないから、食べ物も安くなるのだろう」

 

それでも留学生が集まるのは、『働ける国』だからだ」。日本では就労ビザのない留学生でも週に28時間まで働ける。だが米国では留学生は就労禁止だ。独仏や豪州、韓国は留学生でも就労して生活費の足しにできるが、日本より時間制限が厳しい。そのため、「日本に来る留学生の層は、おのずと途上国からの『苦学生』が多くなる」という

 

いま日本では年に30万人、週に6千人の人口が減っている。

 

私は、もう「安くておいしい日本」は、やめるべきだと思う。

日本の人々は、良いサービスを安く提供する労働に耐えながら、そのストレスを、安くて良いサービスを消費することで晴らしてきた。そんな生き方は、もう世界から取り残されている。

 

 

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『日本の気配(武田砂鉄)』

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「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」には主語がない。1959年に日本にやってきたチェ・ゲバラは、当初予定していなかった広島訪問を懇願した。原爆病院や資料館を訪ね、同行した日本人に対して「君たちはアメリカにこんなひどい目に遭わされて、どうして怒らないのか」と言い残した。

 

あらかじめ用意されたストーリーに従ってはいまいかと、当たり前の疑いを打ち出してみるべきだろう。

 

パリの南東部にあるリヨン駅は、リヨン方面に向かう始点となる駅。つまり、「そっちへ向かう列車だから」という理由で東京都内に名古屋駅が存在しているような煩わしさがある、という説明は更なる混乱を招くだけかもしれない。

 

政治手法を考えれば「なんだかんだで、大きな声を、支える力」が似合いますよね。

 

 

東北復興から7年経って..

糸井①
「変なことを言うようだけど、この音楽で、8割が復興したという話をされても、2割の悲しみしか伝わってこない。悪いけど、こういう撮り方は、地元の人はやめてくれと言っている。ナレーションにしても、(暗いトーンではなく)普通に言えることがあると思う」


糸井②
「全部をその文脈に入れてしまったら、『ここまで来た』と喜んでいる人たちの表情が見えてこないんじゃないかな」 

 

それに対して、

批評家・若松英輔が同じ日にこのようツイートをしている。何度か繰り返し読んだ。繰り返し読み、どちらかを選ぶべきではないと思いながらも、つい、こちらを信頼した。

「泣いてばかりいないで顔をあげろなどと言う者の言葉を信用してはならない。人は自ら歩く道を舌で舐めるような辛酸のなかに長年探しているものを見出すことがある。悲しみは情愛の泉である。そればかりか、叡智の門である。人生には、悲しみを通じてしか知り得ない幾つかの重大なことがある」

 

世の中で毒舌と称される人のほとんどは、毒を吐いた直後に笑う。

あくまでも仮のものであって、こちらの真意ではないんですよ、そのことをわかってくれよな、という説明。

 

山本七平『「空気」の研究』(文春文庫)は、とりわけ3・11以降、決定に至るプロセスを曖昧にしたまま、万事を空気で稼働させてきた日本社会を突つく際に、頻繁に持ち出されている文献である。

 

『もらったものだけど、美しく、精神的な支えになってきました』と言えばいい」と言う

 

目の前に汚れているお皿があって、これ、どうするの、と問いかける。この汚れのほとんどが、ボクが使う前からあったものなんだよと言う。それに、これからキレイになるからさ、と言う。そんなことを言いながらテーブルに鎮座している人を私はどうしても信じられないのだが、少なくない人がそれを信じている。

 

以前、重松清と対談した折、重松が唐突に「この安村の言葉には批評性がある」と言いはじめた。

 「いままでは『安心できないぞ』『だまされているかもしれないんだぞ』というのが陰謀論的なアプローチだったんだけど、”なんてこたなかった、はいていた、安心して下さい”っていう裏返しの批評性がある」(『現代用語の基礎知識2016』)

 

メディアの役割とは、権力を監視すること、そして思考の多様性を担保することに違いないが、

 →読売新聞、どっちもねーなあ.. 笑

 

偏屈な視座で切れ味の鋭い笑いを量産してきた松本人志は、自身の番組『ワイドナショー』に安倍首相を呼び、直立不動で出迎えた。その後も、政権の意向に従順な意見を述べ、あらゆる異議申し立てを茶化すようになった。

 

置かれた境遇を集団的ではなく、個別的な対応で乗り越えていた。国家と個人は違う。

→ そう。だから、アンタ個人に戻りなさいよ。ちゃんと一個人としての意見を言えるようになりなさいよ。ねえ大下。

 

一億をまるで一人のように縮め、詰めて、弁当箱の枠の中に入れる全体主義的な考え方は、不思議にも東洋でただ一つ自由民主主義の模範といわれている日本のものなのです」

 

そういった「逃げ腰なのに強気」といった謎めいた言語センス

例::「ご指摘にはあたらない」「記録はない」「印象操作だ」

 

そう長くもない文章の中で、自身の差別感情が漏れてしまっている事に気付けていないのが実に非道で、そして情けない。

 

朝日新聞の「ダウン症児の出生 15年で倍増」の記事が、障害の有無を容易に幸・不幸にリンクさせる、配慮のないテキストだった。報じる側は「これから控える」側の安堵ばかりに乗り、「すでに暮らしている」側への負荷を取り込もうとしてない。明らかに調合を怠っている。

 

人の死に対して、物語を投与してしまう身勝手さを、私たちはすっかり忘れてしまう。

 

でもコミュニケーションって、常に失敗しているのであって、そして、そこから飛躍していくのであって、失敗や飛躍を放置していおくほうが、対する個々の振る舞いに対して寛容でいられると思う。 

 

この国のコミュニケーション能力って、正直、主体性・積極性を持たないことによって最高値に持っていくことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『13の理由 』#12 #13

※自殺テープにデコレートする女の子

 

---#12 テーマは「裁判所からの召喚状」

「やること全てがみんなを落胆させる。私がいない方が、みんなのためになると思った」

 

ブライス。ハンナへも暴行。

 

 

 

※二人が進路相談室で並んで座ってるカット

---#13 テーマは「一縷の望み」

 

『私は理想の子どもではない』



ハンナはこの部屋を出て、先生が出てくるのを待った。

ポーター先生。重責のある、難しい仕事だ。

 

「先生は止められた」

 

「14番目を足しました。正しいことをする手助けになる」

 

 

「つぎはどうなるんだ?」
「わからない。なるようになるよ」
「テープでも聞くか」

 

『13の理由 』#10 #11

---#10 テーマは 飲酒運転 


   素直になり始めた友達もいる。(アレックスと観覧席で)

 

   友達が深刻な事態に陥ってるとき、ちゃんと気づいてあげられるだろうか?話を聞いてあげられるだろうか?

 

   荒れる恋人(ジェシカ)。男(ジャクソン)は理由は分かっているのか?
ジェシカお前どうしたんだよ?」
「何!?別にどーもしてないけど!??」

 

 

---#11 クレイ・ジェンセン
「彼女が話してるのは真実じゃない」
「彼女の真実だ」

 

「母さんが言ってた。まずは何か食べろ。全てはその後だ」
「朝ごはん食べる派か」

 

「一人にする気はない。いい場所がある」(トニー)

 

 

こう思う自分もいた、行かないで
君は他の男子と違う。特別。
君は私にふさわしくなかった。

悪いのは私と、私に起こった全てのこと。

 

僕は言えたんだ。「嫌だ、行かない」

「君が好きなんだ..」
「生きているときに言って欲しかった」

 

 

『13の理由 』#8 #9

 

---#8
    詩会に参加したハンナ。個人的な心情を綴った詩。匿名で学校新聞に掲載した同級生。

 

「一人に思いを打ち明けたら、みんなの笑い者になった」

 

店頭に立つ母親に、詩集を渡しに行く。
「あの子の字だ」
「ええ、 やっと気付きました」

 

前回とうってかわって、静かなエンディング。彼女が書いた詩のように、深く心に沁み入るような、余韻があった。

 


---#9
   パーティ。彼氏の友達にレイプされたジェシカ。強者(ブライス)の横暴を許したの彼氏(ジャスティン)

 

お前のものは俺のもの、だろ?(ブライス

 

 

 

『13の理由 』#6 #7

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---#6 

・相性テストで出てきた同級生(マーカス)の名前。ハンナは彼を運命の相手だと思いたかった...

「誘ったのは噂を確かめるため?それとも新しいのを広めるため」

「(初めて女の子が家に遊びに来たとき)親が離婚してないなんてラッキーだね。うちの親は離婚しちゃった」

「わかったよ!やれると思ったのに。(マーカス)」

『墓石にはボクサーの写真。その下に「頑張るな」』

 

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---#7
高校でアメフト(あるいはバスケ)チームの馬鹿たちが幅きかせるような国に生まれてなくてよかった。心底そう思う。

言い寄って拒まれた男たちの一団。全員アメフトチームw

・コミュニケーションの授業。期待してた男に手ひどく扱われた後、ザック

『私にとってはコミュニケーションの授業が、人との触れ合いだった』

『あれはバレンタインデーの後、人との触れ合いを求めていた』

『君はただそこにい続けた。私が吹き出しそうになるまで』

スクール強者が、弱者を嬲るとき。

そしてテープの独白者も、少しづつ嘘をついてる

本当の自分を分かってくれない孤独?それなら知ってる。

これ以上ハンナの声を聞けない。
みんな意地悪だ。

交換留学生への校舎説明の場で、ハッチャけたクレイ。
エキサイティングなエンディング。

『愛と幻想のレスポール(スガシカオ)』

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音楽雑誌のインタビュー記事を編集しなおしたものか。

 

ともかく、こういう潔い人間には憧れる。共感もする。

まさに、スガシカオの実像に触れた感触があった。

音楽はたいへんよいと思っていたが、そのミュージシャンがどういう人間性を持ち、どういう風に生きてきたのか、これまではあまり興味がわかなかった。

 音楽と自分の変化についてかくもストイックで、真摯に向き合っていることが知れてうれしかった。当たり前のことなのだ、彼らは音楽で生きているのだから。

 


☑︎レコード会社を辞め、一人になろうと決めていた 014

 

デビュー前、会社を辞めた時も同じ心境だったんですよ。その時も周りにはいろいろ言われた。

 

 

だから、独立した後はあんまり不安がないんですよ。10周年が終わった時の方が不安だった。誰も何も言ってくれないし、方向性も定まらない。こんな迷った状態のままアーティスト活動しちゃっていいんだろうか?って。怖かったですね。

 

 

ということは、プロモーションの必要がなかったんじゃなくて、やることを間違えてたんですね。ただ出るだけな意味がない。同じ時間を使って違うことをやればよかった。

 

 

・音楽の作り方について、桜井和寿に教わったことがある。 030

 

・もう無駄なプロモーションをしてもしょうがないというのはわかっていたから、そういうことはやめましょうという話をした。035

 

だから、あのアルバムは安定してない。偏ったり尖ったりしてるアルバムは他にもあるかもしれないけれど、あんなに安定してないアルバムは他になくて。

 

『THE LAST』の時みたいに、村上春樹さんがライナーノーツを書いてくれたものはCDで出す意味があるんですよ。

 

一番怖いのは、CDがなくなることじゃなくて、みんなの心の中において音楽の影響力が薄れることだよね、って話に落ち着いたんですよ。

 

#かけすぎ部

 

思春期の自分は本当にボーッとしてたと思いますよ。何も見えてないし、何も感じてない。大学に入るくらいまで、自分の視界に膜がかかってるみたいな人生だった。

 

たとえばツッコんでくるジョークの一つ一つに腹を立ててたりしてたんですよ。

 

 

世界中にあふれているため息と

君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ・・

あと一歩だけ、前に 進もう

♬ 

 

新曲が上がるとうちの家のポストにデモテープが届くようになったんですよ。

 

例えば「光の射す方へ」とか「ファスナー」とかは、桜井くんがスガシカオ擬態した曲だと思うんです。聴いて、おれの癖がちゃんと出てるなと思うし。それは言葉だけじゃなくて、コードとメロディの関係にしてもそう。

 

でも、そういう難しいことを言ってる時に、すごい的確な比喩を持ってくるんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『13の理由 』#4

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自殺の理由をみんなで探る物語

思春期に誰もが犯す、遊びと少しの過ち

 

皆、ハンナの性的魅力に惹かれつつ、すぐに離れる。

ハンナは、ただ友達が欲しかっただけなのに

 

「写真一枚でもヒドイ目に合うって、あんたみたいな人は分かってたはずでしょ(コートニー)」

 

タイラーのケツの写真。


復讐を始めたクレイ。

 

 

『13の理由』#2 #3

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『あ、もう私死んでるや』

 

『しばらくの間、私たちは親友だった』

 

『「人生って最悪」って三人でモネってカフェでココア飲みながら世界に毒づいてた』 

 
そのうちジェシカもこなくなった。バラバラになった。そう思ってた。

 

『高校ってそういうところだよね。男子が言ったことを、女子が信じて、全部が混乱する』

 

 

高校での恋愛ってそんなに大事なものか?って思うんだけど。

 

 

「あいつはどこまで聞いてる?」

「まだあの部分は聞いてない」

 

 

『親友を失うのは辛い。特に何故失うのか理由がわからないときは』 

 

 

 

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クレイはテープの中のキーマンとして、物語のファシリテーターとしての役割を果たし、物語は展開する。

 

テープを、一人だけゆっくり聞いてるクレイ。

物語の進度はクレイのテープを聞くスピードと同義だ。

 


女子トイレの中の落書き。

あの女はアバズレ。この女はアバズレ。

 

「分かった。君と一緒に月を見る」

 


で、同級生のスクールカースト強者にコンビニでケツ触られたハンナ。

 

『13の理由』#1

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物語のイントロ。ハンナの独白テープ。

スリリングなオープニング回。

 

 

アイゼンハワー公園。てことは、もうすぐB面か」

 

「ファーストキスの後は、最高じゃなかった」

 

「これを聞いてるほとんどの人だって、何をしたのか分かってないと思う。でもすぐ分かる」

 

「この続きはB面で」