「著者に会いたい_『おしゃべりな人見知り(料理コラムニスト 山本ゆり)』(2021年5月29日 朝日新聞)
身近な材料で簡単にできるレシピ本『syunkonカフェごはん』シリーズの著者。
レシピ本がすごい人気になのは知っていたが、失礼ながら「ただブログかSNSでレシピを初めた先駆として、食卓レシピに頭を悩ます主婦層から支持されてるだけだろう」とたかをくくっていた。
そしたら、とにかく料理が好き、レシピ本が好きで学生の頃からレシピ本というレシピ本に触れて、愛読かつ研究していたという。
そんな彼女が見出したのが、簡単で楽に美味しいもの作る。
学生だったので、だれかのために作るのではなく、自分のため。料理につきまとう”愛情”や”お母さん”っぽい雰囲気はむしろ苦手だった。
「料理は”手間暇”と”愛情”のセット売りがすごい。時間をかけなくてもおいしいものはできるし、手間をかけたい人はかければいい。人それぞれでいいのではと思ってた」
「人生案内_負の感情ばかりの自分(回答者:いしいしんじ)」(2021年5月16日 読売新聞)
人生案内の回答者にいしいしんじが加わってくれてうれしい。
数少ない、読売新聞を読むモチベーションになりつつある。
今回はそのいしいしんじさんに、30代女性会社員の相談。
高齢の両親と障害のある姉の面倒を自分の少ない給料で面倒見なければならない。
容姿も悪く、結婚というものは早々に諦めたが、ときどきどうにもならない辛い気持ちに襲われ、自分の人生との折り合いをつけられない。どう折り合いをつけたらいいか、という相談。
高齢の両親だけならまだ、「贅沢はないがつつましく最低限度の年金暮らしで過ごしてもらい、たまの親孝行に努めれば」くらいに考えることができるけど、知的障害のある姉の存在も彼女のネガティブな思考を引っ張る。
自らの人生に対し、弱気になってしまっても仕方ない状況ではあると思うが いしいしんじさんの回答はどうだったのか。
あなたはたえず、皆のことを気にかけながら、じつは皆の存在に支えられてもいる。
出会いはふとしたことかもしれない。ただ、あたなが本気で求めるなら、どんなささいなことだって、終生あなたを支えてくれるしなやかな杖となりうる。
ひとりで生きることと孤立とは違う。
金魚鉢でも画布でも、あたなはこの世の中心を自ら選ぶことができる。
その中心から、あなた自身のいのちを、ふくよかに伸ばしていくことができる。
金魚を愛し、慈しみ、ともに生きる青年が。
年老いて絵を描くことに喜びを見出し、死ぬまでキャンバスに向かい続けた女性の横顔が。
いしいしんじの小説的世界観が立ち上がってくるかのようだ。
言葉が、受け手の将来的風景さえ育んでいる。
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「令和日本の敗戦 (田崎 基・2020年4月)」
田崎基氏。神奈川新聞記者。78年生まれ。
「敗戦」というワードだけど、白井聡さんを連想する人間は彼の著作をよく読んでいる証拠だろう。案の定、本書にも白井聡氏が巻末寄稿している。
問題意識のある人の著作は、目次ページの見出しを追うだけで、
このまま週刊文春の中刷り広告見出しになりそうな引きの強いワードのオンパレード。こちらのインスピレーションを触発する。
/いいものを生めない社会/
/魅力ある労働環境がなければ生き残れない/
/シナリオの逆をいく「官製景気」/
/数字よりも感性」と喝破する財務相/
/極右政権からの発信/
/姑息な改憲案/
/違憲状態を自称した初の首相/
/なぜアベノミクスは成功しなかったのか/
令話において「戦わずして敗戦する国」の形
私たちの社会はいつのときも個人のモラルで支えられいる。
( 繰り返される愚行は、これまでの国の政策によって生み出されたものだと私は思う)
プレカリアートユニオン
団体交渉を拒否する企業には、本社ビル前に街宣車を横付けし、要求を告げる。
「原子力もリニア高速鉄道も、もう時代遅れ。世界を見渡せば、太陽光や風力といった再生可能エネルギー産業の方が圧倒的に成長している」
→21世紀に深刻な原発事故を経験したこの国で、どうして再生可能エネルギーが推進されず、イノベーションされなかったのか。コスト問題は理由にならない。世界共通の問題だったはずだ。変化を恐れ、利権を優先した政治の責任は重い。
大企業の多くはアベノミクスで得た利益を賃上げや設備投資に回さず、内部留保として蓄えたのだ。
メーカーは価格の引き上げに及び腰だ。その理由は「上げれば売れなくなるから」に他ならない。これこそ、いまが「不景気である」ことの証左である。
🔸意図的かつ短絡的操作
これまで毎月公表されてきた「実質賃金」だが、2018年から集計方法を変えたにもかかわらず、2017年の数値とそのまま比較したことで、実際より高い伸び率が公表されていたのだ。
明石氏(明石順平「アベノミクスによろしく」)が試算した数値について問われた厚生労働省の担当者は手を震わせ、明言を避けようといいよどみながらも、やがて認めざるを得なかった。
・ 「完全に「意図的な偽装」と言っていい
・統計を扱っている者が見れば確実に気づかれる短絡的な偽装
アベノミクスという歴史的に類を見ない壮大な社会実験が「大失敗に終わった」という結論はもはや出ている。
厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば、世帯年収を低い順に並べたとき中央に位置する「中央値」は、ピーク時の1996年(550万円)と比べ2018年は約23%も下落し、423万円となっている。
「日本軍が負け始めてからの戦争指導者と重なって見える。場当たり的な弥縫策で「負けている現実」から多くの人の目を逸らそうとする。」
山崎正弘
原発をやめられない日本。
自然エネルギーへと舵を切れない日本。
これはかつての満州と同じだ。
現実の日本社会は、世界のどの国よりも高齢化が進行し、生産年齢人口は減少の一途をたどり、産業は衰退し続けている。
非正規雇用が無限定に拡大され、実質賃金が減り続けている。こうした状況は安倍政権によって構造的に形作られている。
いったいどこで、どの段階で、この国やその民をダメにする、負のサイクル を止められるんだろうか。
まずマスメディアがそのことに気づかなければならない。
そう、とっかかりはマスメディアであるべきなのである。
🔸権利に冷たい社会
いまだに「権利」という概念は日本社会に定着していない。その証拠に、いまの日本は権利を要求する人たちに対してものすごく冷たい社会となっている。
そもそも権利概念は、個人のエゴイズムを認め、それが衝突することを前提に存在している。だが、エゴイズムは存在しない(認められない)という前提にたつと、権利の観念も必要なくなってしまう。
したがって、すべての日本人は潜在的に無権利状態にあるのだろう。だから、誰かが「私の権利を回復せよ」などと言い出すと、その人があたかも不当な特権を要求しているかのように錯覚される。
日本の未来について何のビジョンもなく、あるのは自民党支配の成功物語という記憶のみであり、そこにすがるしかない。だから東京五輪だ、大阪万博だ、という話になってしまう。
▶︎井手英策さん・慶大経済学部(財政社会)教授
・2020東京五輪後から5年間の経済成長率は推計0.5%(日本経済研究センター)。6年後から10年後の成長率はほぼ0%。
・労働力人口は間違いなく減る。設備投資は国内で回りっこない。
・頼るしかないのはイノベーションだ。
世帯年収300万円以下が全体の32%を占める現実
「三四郎(夏目漱石)」
忘れてた、今年は個人的な夏目漱石イヤーなんだった。
ウブでいけず、田舎者で意気地なしな若者の、ビターな上京学生譚。
熊本の田舎から東京に出てきて、新しい世界に触れる。
出会うもの凡てにこれまで自分がみてきたものと、いまの自分が目の前にして言語化されたものとの対比がある。その言語化のまなざしが、ことごとく、ウブでシャイで、内向的である。美禰子に惹かれ、生意気だと思い、恐れて迷う、ストレイシープ...
(美禰子は、気になったものの、池のほとりの思い出に留めようとしたことが「森の女」のポージングから判る。)
「空になった弁当の折を力一杯に窓から放り出した」
「下女が茶を持って来て、御風呂と云った時は、もうこの婦人は自分の連れではないと断るだけの勇気が出なかった」
「あなたは余っ程度胸のない方ですね」と云って、にやりと笑った。
三四郎はプラット、フォームの上へ弾き出された様な心持がした。
何処の馬の骨だか分からないものに、頭の上がらない位どやされた様な気がした。
ベーコンの二十三頁に対しても甚だ申し訳がない位に感じた。
ジョークか。軽妙だな、まだ。
「然しこれからは日本も段々発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、
「亡びるね」と言った。ー熊本でこんなことを口に出せば、すぐ殴られる。わるくすると国賊取扱いされる。三四郎は頭の中の何処の隅にもこういう思想を入れる余裕はない様な空気の裡で生長した。
p23
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より・・・」で一寸切ったが、三四郎の顔を見ると耳を傾けている。
「日本より頭の中の方が広いでしょう」と云った。「囚われちゃ駄目だ。いくら日本の為を思ったって贔屓の引き倒しになるばかりだ」
この言葉を聞いた時、三四郎は真実に熊本を出たような心持ちがした。同時に熊本に居た時の自分は非常に卑怯であったと悟った。
p24
三四郎はこの時電車よりも、日本よりも、遠くかつ遥かな心持ちがした。然ししばらくすると、その心持ちのうちに薄雲の様な淋しさが一面に広がって来た。
母に言文一致の手紙をかいた。
女の轢死から、死のイメージの描写。
p65
「三四郎はこの表情のうちにものゆい憂鬱と、隠さざる快活との統一を見出した。その統一の感じは三四郎にとって、最も尊き人生の一片である。」
p69
(都会の看護婦(女)を見た時の三四郎の感想は大仰にして饒舌)
三四郎には三つの世界が出来た。
・・・
第三の世界は、燦として春の如くうごいている。電燈がある。銀匙がある。歓声がある。笑語がある。泡立つ三鞭の盃がある。そうして凡ての上の冠として美しい女性(にょしょう)がある。
女は見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。
「迷子の英訳を知っていらしって」
三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬ程に、この問を予期していなかった。
「教えて上げましょうか」
「ええ」
「迷える子(ストレイシープ)ー解って?」
p147
三四郎はいたづらに女の顔を眺めて黙っていた。すると女は急に真面目になった。
「私そんなに生意気に見えますか」
その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感に打たれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れれば好いと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出てきた。晴れたのが恨めしい気がする。
p148
吾々は旧き日本の圧迫に堪え得ぬ青年である。
同時に新しき西洋の圧迫に堪え得ぬ青年であるという事を、世間に発表せなばいられぬ状況の下に生きている。
p170
「君、元日に御目出度と云われて、実際御目出たい気がしますか」
「そりゃ・・・」
「しないだろう。それと同じく腹を抱えて笑うだの、転げかえて笑うだのと云う奴に、一人だって実際笑ってる奴はいない。親切もその通り。御役目に親切をしてくれるのがある。」
p196
「君、あの女には、もう返したのか」
「いいや」
「何時までも借りて置いてやれ」
p246
三四郎はどうともして、二人の間に掛かった薄い幕の様なものを裂き破りたくなった。然し何と云ったら破れるか、まるで分別が出なかった。小説などにある甘い言葉は遣いたくない。趣味の上から云っても、社交上若い男女の習慣としても、遣いたくない。三四郎は事実上不可能の事を望んでいる。望んでいるばかりではない。歩きながら工夫している。
p283
「どうだ森の女は」
「森の女という題が悪い」
「じゃ、何とすれば好いんだ」
三四郎は何とも答えなかった。ただ口の内で迷羊、迷羊と繰り返した。
「カールシュミット「政治的なるものの概念」(大澤真幸)」(2020年7月4日 朝日新聞)
シュミットによれば、政治の最も重要な任務は誰が友で誰が敵かを決断することにある。
近代性とは、誰もが受け入れる普遍的な価値や善は存在しない、ということだ。
では近代の条件のもとで、政治はどうすべきなのか。暴力的とも見える仕方で秩序を押し付けるほかない。それこそが敵と友の区別だ。「この命令を受け入れる者が友である」とする決然たる意志が必要になる。
「二枚腰のすすめ(鷲田清一)」(2020年7月4日 朝日新聞 書評面)
鷲田清一さん。
わたしの尊敬する先達であり、哲学者。
その著作を、横尾忠則が書評しているんだから贅沢ってなもんだ。
いつか話をするのが夢だ。
哲学者は答えず 相談に「乗る」
「後悔するのがいやなら、選択するのをやめることです」「何でも他人に選択してもらうのです」と、「答える」のではなく「乗る」ことで、もやもやを受け止める。
自分に自身がない人は、他力本願でいいのである。
どっちへいくべきか迷う時は、他力を利用するというのは、僕のコンセプトである。
人生なんてどっちだっていいんだ。答えなんかない。成るように成るのが答えだ。
人間は過去の言葉や行いによって現在の境遇だけでなく、未来の運命も定めている「業」の支配下にある。 著者はこの業と向き合うところまでいかないと答えが出ないという。
わからなくなっても「わかった」と思えば、悩みも消える。
コロナ後の男と女「日本で家族解体がなぜ進むのか」(週刊文春 2020年7月2日号)
週刊文春のコラム、執筆は「女と男 なぜわかりあえないのか」の著者で元編集者・作家の橘玲(たちばな・あきら)氏。
日本は「近代のふりをした全近代的な身分制社会」だと考えていますが、もうひとつきわだった特徴は、「世界でもっとも世俗的な民族」だということです。
世界価値観調査で「人生の目標」について訊くと、中国や韓国はもちろん、アメリカの若者ですら「家族の期待にこたえる(親が誇りに思えるように努める)」との回答が一定数ありますが、日本の若者は「他人に迎合するよりも、自分らしくありたい」「自分の人生の目標は自分で決める」が圧倒的です。常識とは異なって、日本人はきわめて「個人主義的」なのです。
1990年代はじめに、香港で知り合った若者から「日本人は一人暮らしをしてるってほんとう?」と訊かれたときです。「そんなことして怖くないの?」と真顔で言われました。90年代の香港ですら、結婚して自分の家族をつくるまでは親といっしょに暮らすのが当たり前で〜
日本人はあまり気づいていませんが、ワンルームマンションは欧米にはほとんどありません。大学の寮は二人一部屋だし、〜
日本人はどういうわけか、「一人」を孤独とは思いません。
村上春樹がアジアで熱烈に読まれる理由のひとつは、一人暮らしの魅力を描いているからでしょう。
→この視点はなかった。たしかに、春樹作品中の「僕」は一人で生活するのが、楽しそうで。
そんな日本では家庭のなかに複数の「世帯」ができてしまいます。結婚して子どもが生まれる、夫は「会社」という共同体に属して、「二世帯同居」になります。単身赴任というのは欧米では考えられませんが、日本ではなんの問題もなく受け入れられるのは、もともと世帯が分離されているからです。子どもが中学生くらいになれば、父、母、子の「三世帯同居」で、食事の時間も別々になります。
「福岡伸一の動的平衡 ーウイルスという存在ー」(2020年4月3日 朝日新聞)
生命を、絶えず自らを壊しつつ、常に作り替えて、あやうい一回性のバランスの上にたつ動的なシステムである =動的平衡の生命観
ウイルス表面のタンパク質と宿主タンパク質とにはもともと友達関係があったとも解釈できる。さらに細胞膜に存在する宿主のタンパク質分解酵素が、ウイルスタンパク質に近づいてきて、これを特別な位置で切断する。するとその断端が指先のようにするすると伸びて、ウイルスの殻と宿主の細胞膜とを巧みにたぐりよせて融合させ、ウイルスの内部の遺伝物質を細胞内に注入する。
かくしてウイルスは宿主の細胞内に感染するわけだが、それは宿主側が極めて積極的に、ウイルスを招き入れているとさえいえる挙動をした結果である。
ウイルスは、ーーー高等生物の一部が、外部に飛び出したものとして。ウイルスはもともと私たちのものだった。それが家出し、また、どこかから流れてきた家出人を宿主は優しく迎え入れているのだ。
なぜそんなことをするのか。それはおそらくウイルスこそが進化を加速してくれるからだ。親から子に遺伝する情報は垂直方向にしか伝わらない。しかしウイルスのような存在があれば、情報は水平方向に、場合によっては種を超えてさえ伝達しうる。
それゆえウイルスという存在が進化のプロセスで温存されたのだ。
その運動はときに宿主に病気をもたらし、死をもたらすこともありうる。しかし、それにもまして遺伝情報の水平移動は生命系全体の利他的なツールとして、情報の交換と包摂に役だっていった。
私たちはこれまでも、これからもウイルスを受け入れ、共に動的平衡を生きていくしかない。
ーWikipediaより
動的平衡(どうてきへいこう、dynamic equilibrium)とは、物理学・化学などにおいて、互いに逆向きの過程が同じ速度で進行することにより、系全体としては時間変化せず平衡に達している状態を言う。
系と外界とはやはり平衡状態にあるか、または完全に隔離されている(孤立系)かである。 なお、ミクロに見ると常に変化しているがマクロに見ると変化しない状態である、という言い方もできる。これにより他の分野でも動的平衡という言葉が拡大解釈されて使われるが、意味は正確には異なる。
「バイス!(2018年、アダム・マッケイ監督)」
米副大統領 ディック・チェイニーの伝記映画。
毎度のことながらクリスチャン・ベイルの役作りとコミットメントすごい。
この人が、「アメリカンサイコ」のベイトマンであり、「ターミネーター4」のジョン・コナーであり、「バットマンシリーズ」のブルースである。
極悪副大統領。
大胆でぶっとんだ提案を、慎重なプロの提案だと思い込ませること
フォード大統領時、ラムズフェルド国防長官、チェイニー主席秘書官。
一元的執政府論 に取り憑かれる。
大統領の決定は全て合法。
まあ、わが国のバカボン・安倍PMの改憲志向に近いな。権力者の憧れる自由自在イメージだ。
何も挑発してこない主権国家を攻めるんですよ?
2003年、国連でのコリン・パウエル国務長官の「イラク攻撃正当化」スピーチ
「人生最大の苦痛であり、汚点だった」
と述べている。
イラク戦争の根拠が虚偽であることが分かり、イラクには大量破壊兵器もなかった。
で、娘がレズで同性婚であることを認めた父。