『言葉の力を信じない首相(金田 一秀穂さん2014年9/4付「風向きは変わったか」)』
「質問に答えない」と批判されてるけど、国会答弁や記者会見を見ていると、ごまかしや言い逃れという感じでもない。ずっとすれ違ったままでかまわないと思ってるんじゃないか。
安倍さんも勇ましい言葉は多い。「まさに」という言葉をよく使うんですね。スパッ、スパッと言い切っていく。深く考えてないから言い切れるんです。考えている人間はなかなか言い切れないですよ。
その割に失言が目立たないのは、やっぱり言葉が軽いからです。「国民の命を守る」「日本を取り戻す」とか言っておけば文句が出ない。〜つるつるした言葉しか使わないから、非難されにくい。
政治だけでなく、社会全体が耳に快い言葉しか受け付けなくなってしまった。反感を買うような「強い言葉」は排除されて、誰も傷つけない言葉が受け入れられる。
金田一さんは一度お会いしたことがある、専攻が日本語学だ。
もちろん、言葉と、それを使う人間の魂胆に敏感だ。