ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『いやな感じ(高見順)』

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売春宿の女にホレそうで嫌だ。

初恋だ。身請けしよう。みたいな冒頭シーン。

 

火の玉みたいな向こう見ずな男がテロリストとして、女に惚れっぽいが、身を立てようとする。

 

基本的には、女郎屋とか淫売屋が、生活の中にある文化。

戦争と、政治と、血があるのに、このテロリストには信念がない。

政治的信条もないが、恐ろしく肝が座っていて気もちよい。

男ってそれだけでも、ドラマ起こせるんだなあと感じ入ってしまった。。

 

ひと一人やっと通れる狭い道には「抜けられます」と書いてあった。道の奥にも買い手を待っている女がひそんでいることを、そうして示しているのだ。

 

 

生まれて初めての恋をした。その相手の女から、まんまと俺はリン病をうつされたのだ。

 

日本も土地解放が必要だ。今のような状態では、百姓が悲惨すぎる。

 

「俺にはちゃんとした名前があるんだ。加柴四郎。」

 

いや、もっとホントのことを言うと、俺は女が欲しかったのだ。むしょうに女が欲しかった。股ぐらに手をやると、ヨシコが棒のようだった。熱い棒のようなヨシコを俺は手で握っていた。

 

 

その夜、俺は浅草のひょうたん池へふらふらとひとりで出かけて行った。いや、実を言えばーーふと、気がつくと、ひょうたん池のそばに来ている自分を見出していたのだ。

 

 

この死体預かり所という不気味なものが、華やかな舞館などとともに上海で繁盛していた。中国人というのは、死んだら誰でも故郷の土になりたいと願っている。だから上海で人が死ぬと、その遺族がどんなに費用がかかろうと遺骸をはるばる故郷まで送りとどける。

 

 

時代のせいにするわけじゃないが、そんなのは嫌いだけどー悪時代に生きるには、こっちも悪のエネルギーを発揮しないことにはやっぱり、面白くない。

 

 

革命的情熱の燃焼とは生命の燃焼にほかならないと、往年の俺は信じていたのだ。

 

 

 

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