『ザ・ファイター』
2010年、デヴィッド・0・ラッセル監督。
クリスチャン・ベイル。実話に基づく。
マサチューセッツ州ローウェルのボクサー ミッキー・ウォード。
本作を貫く問いは、「家族は本当にあなたの味方か」かな。
兄のディッキーは街で有名人。誰もが知っている。
かつて、シュガーレイをダウンさせた男という栄光も、短期で怠惰な性格からいまは引退し、過去の栄光にすがりつくジャンキーだ。
兄が落ちぶれ、弟に過度な期待を抱く母親もやがて弟ミッキーにとっては厄介者のような存在になる。
弟のセコンドを務めていた兄だが警官を殴る暴力事件を起こし、刑務所に入る。
弟も巻き添えになり、警官に拳をつぶされる。
兄貴は負け犬だ。俺まで巻き添えにするな。
所属ジムの人間とミッキーの恋人は兄や母の支配から独立するように奨めると、やがて頭角を現す。
「その呼び方やめて。何よMTV女って」
兄は刑務所で自分のドキュメンタリー番組を観る。
「転落したボクサー;ディッキー」
弟は試合中、兄貴のアドバイスを忘れなかった。
兄貴を信じてた。
兄貴なしじゃ無理だ。
俺のヒーローだ。
兄貴は刑務所に入って、健康になって帰って来た。
兄や母と手を切ることを約束していたミッキーだが、兄が刑務所から出て来ると「兄貴を切ることは出来ないみんな大事だ」と言う。
弟は兄貴を切らなかった。家族も切らなかった。
逆に恋人が愛想をつかして、ジムを去ろうとするが追いかけたのは兄だった。
恋人シャーリーン(エイミー・アダムス)と敵対していた兄は家まで訪れ、全てをぶつける。
「あいつはテッペンをとれる。助けてやってくれ。」
エンドロール中にある本物の兄弟映像すごくいい。
実際に仲良しで冗談言い合っていて和む。