ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『ナルコス』

 

「まずは、俺たちが戻ったと知らせる!」

 

「カリージョが戻った。メデジンにいます。」

手段を選ばない悪魔になったカリージョ大佐は少年も殺す。下っ端をヘリから落とす。

 

 

タバコの巻き紙を買いに街へ。サングラスを外して大胆になるエスコバル

公園でグスタボと会う。グスタボの幻。

 

逮捕シーン。

「俺は、エスコバルを見下ろした」

伝統音楽クンビアが流れて。

 

競合するカルテル・カリと握っていた捜査官・ペーニャは辞任する腹をきめていたが、アメリカのCIAに呼び出され聞かれる。

カリカルテルについてどこまで知っている?」

 

で、次のシーンへ。

くうーーーーーーーーーーーーー。

 

サンクチュアリ(5)〜(7)

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渡海は完全に惚れてんだよおぉ〜

 

 

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ドーン!絶大権力の幹事長は、駒使いしている議員の夜の現場にも、こんな風に圧力立ちするのダっ!!

 

 

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ぬぬっ!

 

 

 

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驚き過ぎでしょかんじちょー。

 

 

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って、このシーンはどこかに差し込もうと作者らも考えてたんだろうなあ。表の浅見と裏の北條の動きが重なってくる際の象徴的なシーン。物語後半戦への畳み掛けるようなクライマックス章のはじまりはじまり。

 

 

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いや、どこがやねんっ

 

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ロマン先攻、読者置き去り。胸の高鳴りだけで読ませる雰囲気ページ.

 

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まあ、現代のヤクザやマフィアはこれ考えるわけで。そんで、↓

 

 

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なっなにい!!!(ってこういうとこが白眉なとこなんだよなあ...。だってこんなこと思い付かんでしょ。ヤクザが議員に立候補って...。パブロ・エスコバル...?)

 

 

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で、同業ヤクザのみんな北條の志に拍手。ヤクザも惚れる男なわけです。

 

 

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でヤクザがシャバで社会的に認められりゃあ、晴れてこの女とも寝れる!東大卒警察署所長・石原杏子クンだっ。この逢い引きシーンも、また一つのサンクチュアリなのだ!

 

 

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でたー、米国の介入!しかも浅見とビゼット女史との男女の仲が縁だもんな〜!日本の政治家が米国の女性高級官僚をコマして手篭めにするとか、とんでもねえ自慰でしょこれは。

 

 

 で挙げ句の果てには巨大な敵さえ消失し、物語の駆動力が旧体制とかそういうものでもなくなった瞬間がこれ(敵さえ惚れた、男二人のサンクチュアリ)。

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最後は、デビルマン的とも言える、浅見/北條二人の最後のコマか。

 

 

やはり、この人のマンガはカットが強い。

ワンカットで多くを物語れる、映画的なところがある。

 

 

 

『子どもが生まれても妻を憎まずにすむ方法』

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画像はここでの話とは無関係

 

標題は、アメリカ輸入本のパクリ題だ。

アメリカってやつあ、いつだって資本主義的事象をあるいはその経済システムがもたらす人間社会の個別的現象を先取りしてやがる。

きっとこれだって、半年くらい遅れて日本でもぱーっとSNSを中心に流行るネタだろう。もちろん都市部のリベラル系ファミリー層にのみの話だろうけれど...。

つまり肝心なのは、猶予は半年ってことだ。

 

 

結婚生活を長く続けることは、そのまま国際社会での文化の異なる人たちともうまくやっていくことに似ている。我々は相手に少々気に食わないことがあったからといってそこから簡単には逃げ出せないのである。

 

結婚生活ってのは、実は大した事業なんだよ。
まだ人間的にも幼く、成熟してなくっちゃ、それをうまくこなせないなんて当たり前のことなんだ。

(以上二つは、あの本を読んでいた頃にベッドに横になったとき思い浮かんだこと。俺は何になりたいのかって?さながら夫婦間の問題を扱う哲学者にでもなろうか)

 

 

うさん臭いものでも見るかのようなまなざしを我々にくれるのは、

何も営業先のお客さんだけではないのだ。

 

 


以下、着想の断片。

妻遠方より来たる。俺は家出をしていた。俺は30でこぼこでちゃんと勤め人だったが自発的に家から出ていた。家って実家の方じゃない。自分で買った家の方だ。いや、正確には妻とか。家を買うとき銀行からそれぞれ金を借りた方が住宅ローン減税が最大化されるっつうから分けてローン化したってわけだ。
 俺はデフレを感じていた。

 

✔︎夜中に妻が布団を立ち娘と部屋に二人で泣きじゃくられるとき。母を探すようなそぶり。何をやっても機嫌を直してくれない。俺じゃダメなんだなと思わされる。

✔︎俺はこんなにやってるのに、妻はもっと求める。このコミュニケーションの終わりは、どこにあるのだ?

✔︎未来の、想定されるかもしれないが今は存在しない問題について憂慮しているんだ。

 

✔︎たまに喫煙所であまりにバランスを欠いた会話を聞く。どうバランスを欠いてるかっつーと交わされている話が一方的だという点だ。一人で話して、一人で笑ってる。片割れの相づちはそろそろ薄い。


✔︎たとえばだ。俺はこの国の首相が大っ嫌いだが、俺の力で首相を変えられるわけじゃない。
30過ぎてもコンビニの弁当食ってるんだぜ、ろくな大人になりつこないだろ。

✔︎俺はこんなにやってるのに、妻はもっと求める。このコミュニケーションの終わりは、どこにあるのだ?

✔︎未来の、想定されるかもしれないが今は存在しない問題について憂慮しているんだ。

  

 

『ナルコス(パブロ・エスコバル)』

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大統領をめざした麻薬王コロンビアの悪名高きドラッグカルテルの盛衰一代記。

 

(EPISODE4)
✔︎
裁判所に保存してあったエスコバルの犯罪証拠を燃やした左翼系ゲリラM19の幹部・イワン雷帝らは、褒賞の場でナルコスに殺される。


(EPISODE6)
✔︎米
DEAの協力するコロンビア麻薬カルテル特捜隊(エスコバル捜索隊)vs麻薬組織ってほとんど戦争。「会話を少し録音するだけだ」と何も知らない若者を飛行機に乗せる。レコーダーのボタンを押すとハイサヨナラよ。「今回は君の勘に従う」と大統領候補は危機一髪難を逃れる。


✔︎ロビンフッドだったパブロはテロリストと化した。ガビリアは大統領に。なったらなったで“アメリカの介入“も鬱陶しく感じるように。

 

(EPISODE7)
✔︎「コロンビアの許可なしに偵察機は飛ばせんぞ」。
有名人や要人を狙って人質に。元大統領の娘で国民に人気のあるキャスターが捜索隊の突入作戦失敗で死ぬ。

 

(EPISODE8)
✔︎妹と寝てたグスタボを、
カリージョ大佐がモーテルで捕らえてボコボコに。

 一方で議会では米国への身柄引き渡し条約は廃止。パブロは政府に名ばかりの降伏。世間ではこれを「ラグランメンティラ(大ウソ)」と呼んだ。


(EPISODE9)
✔︎エスコバルたちは警察も軍も半径三キロは入れないメデジン
カルテル用の刑務所(という名の要塞)に収容される。酒を飲み音楽を聴き、女も呼べて、サッカー場もビリヤード場もある刑務所だ。ただどう繕ってもここから出れない。塀の中で退屈そうなエスコバル

シャバの情報への疎さや焦燥感から、次第に狂気は発揮される。シャバでのビジネスの取り仕切りを任せていた幹部二人をビリヤードキューで殴り殺す。遺体は焼却炉に入れると流れるBGMは陽気なメキシカン。

 

✔︎一個旅団出動させて、エスコバルだけ取り逃がす。
✔︎メデジンと敵対するカリ・カルテル


『女たちよ!(伊丹十三)』

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アイルランドイングランドとの関係は、朝鮮とわが国の関係に似たところだある。  アイルランドは非圧迫民族である。

オスカーワイルド、バーナードショー、いずれもアイルランド人。

 

たとえば水戸光圀公は、塩鮭の皮が好きで好きでたまらない。

 

 

ときどき積年の蒙を開かれて、あっと叫びたくなることがある。

 

結局、車を買う側にテーマがないのだね。

 

 

あんまり簡単過ぎると、なんだか女と寝ていたってなんだか体操やってるみたいでさ。

 

音をたてずに食事するのは、泥棒か貴族に決まってるのよ、といった口をきく。

 

女と話をするのは苦手である。はっきりいって、うんと程度を落とさねばならぬ

 

ごく個人的だったはずの経験が、これでいっぺんに手垢のついた既製品に変化してしまう。

 

 

 

『WALKING DEAD ウォーキングデッド(シーズン7)』

以下、メモ。
 
シーズン7のオープニングはいささかセンセーショナルだった。
飽きられないためにはこれくらいのインパクトが必要だったのだろう。
オープニングメンバーのグレンがとうとうララバイした。
しかもあまりにインパクトのある残酷な仕打ちで...。

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『WALKING DEAD 7』-⑩

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✔︎救世主ニーガン
 
 

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✔︎夫(ドワイト)の命を救うため、ニーガンと結婚したシェリー。ここでいう結婚とは、つまりこんな世界における結婚とは居住を共にするというより社会的にセックスが許されるということ。
 

「みんな何かを信じたい」

 

✔︎圧倒的な物資と独裁者による思想強化。周辺国への服従朝貢
✔︎「Im ニーガン」踏み絵による宣誓。

『あなたは善人だと分かる。善人は残り少ないわ』
 

 

「彼女のために致死毒が2つ欲しい。念のため」と言った二人の女。
 
 
『WALKING DEAD 7』-11
「ここ2日で見つかったのは銃二丁とマカロニ一袋だけ」
でも戦ってる。それがいい」 

 

✔︎決壊した良心
 
 

『明暗(夏目漱石)』

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朝日新聞での連載作品。人間の利己(エゴイズム)を扱った近代小説。未完。

以下、メモ。

 

津田由雄30歳、会社員。
→新婚の細と淡白な会話
父親が金を送ってくれない吉川にでも借りるか
→叔母さんから「あんたは贅沢すぎるよ」
→叔母甥で結婚観を議論
→姪っ子の結婚生活を心配する叔父
→夫を操る手際に不安を抱く
(性格の悪い家族ばかり)
→嫌な性格の小林、外套を貰いにくる
→兄妹の会話「あなたは変わった嫂のせいで」
→どう無心した金を病床の兄が受け取るか
→「人の好意を受けないあなた方は不幸になりますよ」と妹
(それぞれが自分の解釈に当てはめようとして会話している
→昔の女に、も1度目気持ちをぶつけたら?
夫婦の間の闇、そこに第三者入れ知恵をしたり
「金を貸してやる相手との待ち合わせなんだから遅れて行こう」とか
→ほんと最低な男・小林
→昔の女(清子)の湯治先の温泉に。また色っぽい話をしたいのにさせない女
 
 

サンクチュアリ(4): 俺は三日であんたを抱ける!

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とにかく旧体制(ぬるま湯に浸かってた全世代に)に対して怒ってんだよな。

怒りはパワーだよな。

 

 

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何度でも言おう。

自分がヤクザに抱かれたいのに「抱かせてあげる」とカッコつけてこぼす杏子は、東大卒警視である。

 

 

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毎度恒例、杏子のお色気省察のお時間です。

 

 

 

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俺は三日であんたを抱ける!

公衆の面前で憚らず、艶を出し身悶える杏子。東大卒。

 

 

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米国の大統領補佐官・ビゼット女史に、漢を見せつける浅見。

ベッドでコマしといて、「あんたは大統領に。そして俺は総理大臣に」とか。。。

 

 

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こちらも恒例、クレイジー渡海の、“その日店に入った一番可愛い子をトイレに連れ込んじゃう”十八番。もちろんこれ犯罪。

 

 

 

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こうなったら杏子は、お酒に酔ってかまってくれない彼氏の家に押し掛けるOLみたいなことしちゃうんだからっ。これだから免疫ない東大卒は...

 

 

5巻へ続く。

サンクチュアリ(2)「すべてあんた達の戦いだ!!」

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ほんっとにこのマンガは(ていうよりは史村翔×池上遼一コンビ)は設定・展開ともにトンデモなんだけど、それを補って余りある名シーン、名言が多いんだよなあ。

 

 

 

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参加の組長を差し置いて2代目に成り上がった北條。兄貴分・渡海によって手荒くはねつけられた参加組長の自宅にいち早く挨拶し、妻や娘たちへも既に取り入って、贈り物なんかをしていた。

 

 

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クレイジー渡海が、北條を嗅ぎ回る東大卒美人警視・石原杏子に挨拶がわりの挿入をしようとしていると、スーツからポロリ落ちるパスケースには北條の写真が...。

「そんなもん見ちゃ、こっちが立ったたねえぜ」と渡海。このとんでもかつベタ過ぎる人物要素の積み重ねが、わかっちゃいるけど魅せられるシーンを作り上げていく。

 

 

 

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んでその後のシャワーを浴びながら、東大卒、できる女の女の内省と身悶え。

「なんで女なんかに生まれてきたの」ってかー。

 

 

 

 

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ま、これは皆さん日本史の教科書でご存知の名シーン。戦後政治の名シーンのオマージュですな。

 選挙演説中に知名度のない候補が刺される!単独犯の犯行ということになったが、誰の差し金であるとかは問題ではない。選挙中に最高の形で"目立つ"ってことがミソだったわけで...。

 

 

f:id:design_your_life:20171105161624j:plainそんで、民衆を奮い立たせる本音と「君たちはどう生きるか」的な逆に聴衆に問う演説。日本民自党幹事長・伊佐岡も、敵ながらアッパレ感。こいつはトップ当選する、と。

 

 

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で、キッチリお色気シーンも満載。

熱い男の、正義と夢が作るまっすぐなエロスだ。

 

 

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そ、そこ吸うかあ。ド変態め。。。

 

俺には夢がある!

って言ってる男が本当にカタギじゃないから、どんな男勝りな女も、女にさせてしまうんだこの北條って男は。

 

 

 

3巻へ 続く。

 

雨の衆院選の週末の前に

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雨の衆院選週末を前に。

 

多くの自民党支持者たちは大体共通して共産党を嫌っている。

感情的に嫌悪している。

きっと彼らは、街中で中国人観光客を見ると嫌そうな顔をする。

排他的で、狭量な、島国日本人の典型的な姿だ。

 

この人たちの家の本棚を、少しのぞいてみたいものだ。

きっとマンガか、そういう本しか置いてっこない。

 

狭い歩道に、自転車ななめに停めてしまう人たちだ、きっと。

 

文芸趣味のある10個も上の先輩におもむろに、

「○○さんは、選挙どこ入れるんですか?」と聞くと、

「立憲に決まってんだろー」と返ってきた。

 

世の中は意外と、そうではなくて、そういうものかもしれない。