ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

2015-01-01から1年間の記事一覧

『あなたが消えた夜に(中村文則)』

冒頭の夢の話(あるいは昔から悩まされる悪夢や光景)は、この人のお約束だ それは主人公の罪悪か性的な原体験である事が多い 彼は刑事である。 大きな事件や連続殺人で捜査本部が設置されると担当所轄と警視庁の人間が一緒に動く 警視庁の女性刑事小橋さん…

『ザ・コーヴ』

【FACT】・ある水族館では、浄水システムが故障すると、騒音障害で片っ端からイルカが死んでいった・年2万3千頭のイルカが殺されている太地町は、世界最大のイルカ供給地。一頭15万㌦で市場で売買され→鯨肉として売っている可能性がある(多量の水銀を含む)…

『マトリックス レボリューションズ』

マトリックス完結編。 アーキテクトと会った後、トレインマンのプログラムの中にさまよい込んだネオ。 トレインマンのプログラムからネオを解放するため、モーフィアス トリニティ セラフ(預言者の使い)とでクラブに乗り込む ついに預言者のところに迫るス…

『マトリックス リローデッド』

冒頭、トリニティの最期のシーンを観ている側に残す 「スーパーマンやってます」 ギュンギュン空とか飛んでる。 増え始めたスミスに、対応してる。 ザイル(人間が密かに暮らしてる地底空間)で滞泊 預言者に会うときのシーン、バックドアに直線通路で、両側…

『マトリックス』

ネオ:アンダーソン君モーフィアス(ローレンス=フィッシュバーン)トリニティ(キャリー=アンモス) あるプログラマ(ハッカー)が起きているのに夢の中にいるかのような感覚にとらわれ悩んでいる。異次元からの来訪者に、あなたがいるこの世界は、本物の…

『8月の家族たち』

バイオレット(メリル ストリープ)バーバラ(ジュリア・ロバーツ)カレンアイビーベバリーリトルチャールズマティーフェイおばさん だだっぴろい平原に道路いっぽん。まさに巨大なアメリカ中部。 果たして、”インディアンを殺してでも手に入れる土地だった…

『エレファントマン(デヴィット・リンチ)』

80年英製作。ヴィクトリア朝時代の英国で実際の人物ジョン・メリックをモデルにしている。外科医フレデリック・トリーブス(A・ホプキンス)興行師に見世物にされていたジョン、トリーブスの葛藤と献身、舞台女優と接しているうちに心を開く。 「詩編23篇は…

『ミリオンダラーベイビー(C・イーストウッド)』

フランキー(イーストウッドエディ”スクラップ アイアン”(モーガン・フリーマンマギー(マーガレット・フィッツジェラルド:ヒラリー・スワンク) ー語り手はエディ。04年作でアカデミー4部門独占。 ボクシングは尊厳を賭けた戦いだ。勝者は敗者の尊厳を奪…

『紋切り型社会(武田砂鉄)』

当たり前のように使われている言葉をほぐして考える。そこで思考停止になってたのは自分自身だ、と気づかされる。01「乙武君」乙武君の“君”から拡げる、日本の”君”ブラックホール史。障害者→24時間テレビのえげつなさ(障害者に動いてもらうと数字が上がるん…

『職業としての小説家(村上春樹)』

かなり正直に誠実にお話しされています。 この人のついて、いまさなどう言うでもないです。 これを読んでまた村上春樹の小説が読みたくなった。それだけです。 ・・・多くの学生と同じように、その運動のあり方に幻滅を感じるようになりました。そこには何か…

『テロリストのパラソル(藤原伊織)』

[主人公の人物造形] ・小さなバーのバーテンやってる・メニューはホットドックだけ(めちゃうま)・アル中でウィスキーばっか飲んでる・若い頃、学園闘争の縁で前科あり・ピンチのときこそ軽口たたく・気が強い女が好き(当時も娘も)[話のあらあら筋]・公園…

『ミレニアム版 ドラゴンタトウー』

ハリウッド版があまりにおもしろかったので、オリジナル版を。 汚職事件の名誉訴訟に敗れて、島に館をかまえる一族からの依頼。 リスベット(ハッカー・要保護)が、と初めてミカエルが出会うのが90分過ぎ。 女と寝てる部屋で「君は裏の世界の有名なハッカー…

『ブラックダリア』

本作、LAを舞台とするサスペンス「LA四部作」と言われるということで観るしかないな。実際に起きた事件「ブラックダリア事件」をもとに原作が書かれている。ジェイムズエルロイ原作。監督ブライアン・デ・パルマ、06年作。 若くて見込みのありそうなイケメ…

『ギルバート・グレイブ』

93年作。若いレオナルド・ディカプリオ(アーニー グレイブ)、若いジョニー・デッ プ(ギルバート グレイブ)。レオナルド・ディカプリオ。レオナルド・ディカプリオ。 なんてカッコいい名前なんだろう。 舞台は”音楽なしのダンスみたいな街”。アイオワの…

『火花(又吉直樹)』

文藝春秋、受賞作掲載号 なるべく先入観を排して、読もうと思っていた。とりわけ最近、文春の役員の方と知り合ったこともあり、「プロモーションとしてではなく、時代と文芸者の評価がしっかりなされた受賞だと思いたい」という点もあったからだ。 まあそも…

『マーガレット・サッチャー(Iron Woman)』

「人に影響されてはいけない。」 父の教えは、生涯彼女の中で繰り返し反芻されてきた。 男たちばかりの英国議会で首相の立場にあっても。。。 冒頭からはじまり、本作全編を貫く回想シーン、夫デニスとのダイアローグ。 彼女が政界から引退し、夫にも先立た…

『MAD MAX4 〜怒りのデスロード〜』

いやあ、MAD MAX4 怒りのデスロード 最高だったー。 文字通り、壮大な狂気。頭おかしい設定と演出の連続に開始10分で脳天が融け出します。残された資源は、水とミルクと油と女。狂った改造車に、火を噴くギター。北斗の拳も真っ青な下卑キャラたちが砂漠で…

『堕落論・日本文化私感(坂口安吾:講談社文芸文庫)』

終戦記念日にかけて、堕落論を読み直したいと思った。 終戦記念日の前日14日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑での追悼祈祷に参加し、始まりを待つ苑内のベンチで堕落論を読んだ。 堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。 生きよ堕ち…

「稼ぐ力(大前健一:13年9月小学館刊)」

国際社会で”稼ぐ”の視点で、大前健一の力点ステートメントを整理。 ・国家にとって最も大切なものは「雇用」である。と彼は言い切る。 ・パーキンソンの第1法則「人の数だけ仕事は増える」(仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張…

『JURASSIC WORLD(3D-IMAX)』

友人たちとTOHO新宿に。 ガジラのデカモニュメントももちろんながら、歌舞伎町のセンターブロックでここまで様変わりしたシネコンはそれだけで非日常感がある。早慶戦のあとコマ劇前のポールで天下取りしてた時代とは、いささか隔世の感がある。 そりゃ可能…

『2001:Space odyssey』

2001年、宇宙の旅。Taipei〜HND, 冒頭、猿が動物の骨で骨を砕くシーン。 これが”固くて何かを砕くのに使用出来るもの”学ぶ。 敵対グループとの対決に、この骨(武器)を持っていくと撃退できた。 骨は武器となり、猿は技術的思考ととのに一つ進化したことに…

『芥川賞の謎を解く(全選評完全読破):鵜飼哲夫』

鵜飼さんの新書。 150回以上にわたる芥川賞の選評。それは日本人の文学的創造力の歴史である。 芥川賞とは、文学とは何か、という問いに対する暫定的な答えである。自分が生まれる前の作品や、当時世間を騒がせた(その時代の人間に何かに触った)作品の数多…

『紅の豚』

この歳まで、一度も観たことありませんでした。 みんなジブリって、全部観てるんですよね。好きですよねほんと。 案の定、denpasar→taipeiの飛行機上で観る。 ・何故か豚にされている主人公ポルコ・ロッソは飛行機乗りの賞金稼ぎ ・ホテルアドリアーノのマド…

『Amadeus』

海外旅行に行くときは、機上で映画を観る。 飛行機にonされているものではない。 dvdプレイヤと好きなdvdタイトル持参でだ。 「Amadeus」は昔から観たかった映画。 モーツアルトの才能と嫉妬にまつわる映画だ。 彼に嫉妬し、同時に憧れた宮廷音楽家サリエリ…

『ダンサー・菅原小春(「情熱大陸」)』

ダンスは全くの門外漢だけど、この人は凄いと思った。先々週の情熱大陸。23歳。千葉県生まれ。世界中のワークショップで引っ張りだこ。 よく笑い、よく感じる。スキゾな動き。 自然に、新しい土地に勝手に身体が動く、狂喜する。 彼女の言葉はダンスの前でま…

『ファイトクラブ』

経堂のTSUTAYA冷やかしてたらまた観たくなって、土曜の朝から観る。 オープニングの映像は007並みのしゃれしゃれハイクオリティオープニングロール。脳内?ミクロ世界の投影。映画冒頭の疾走感抜群の音楽もカッコいい。 www.nicovideo.jp 「さあ、今度は君が…

『ポエムに万歳!(小田島隆)』

優秀な人間ほど言葉に含まれる音や感情を削り取って、情報と論理以外の意味的な曇りや歪みのようなものを極力排除しようとする。 というよりも、日常的に大量の文書を読みこなす立場に置かれた人間(エリート官僚、弁護士、金融マン)は、文章から音韻の要素…

『恋する原発(高橋源一郎)』

もう、とにかく小説をポップにする人。ちんことかまんことかダッチワイフとか使い過ぎ。政治的な主張や思いを、AVにくるんで徹底的に戯画してふざけて描く。 徹底的にポップな舞台立てに、真理や”ほんとう”を打ち立てるのは容易じゃない。ただ、その構造物…

『自分メディアはこう作る(ちきりん)』

・思想に関わるエントリを検索されやすい時期に書くと、注目を集めやすい ・ネット上では、「強者が弱者を切り捨てている!」という事例を見つけてボコボコに叩きたい人たちが沢山いる ・難しい問題を考えるときにも深刻になるすぎず、ユーモアを理解出来る…

『今こそ読みたいマクルーハン』

あまりに情報とメッセージが散逸で、著者自身この思想家をうまく、捉えられてない?とも思ったが、問題はマクルーハンそのものにもありそうだ。。。 表象的な言葉が多く、その多くを説明していない。 「私は説明しない。探求するのみ。」 ・アフォーダンンス…